外科

はじめに

仙台医療センターの外科は、臓器別の疾患により上部消化管・下部消化管・肝胆膵の3チームに分かれて診療に当たっています。それぞれのチームは臓器別のスペシャリストを擁しており、最善の外科診療ができるように体制を整えています。ここでは、チーム別にそれぞれのアピールポイントを述べさせていただきます。

特色

上部消化管チーム

近年、胃癌治療の進歩はめざましく、より専門的になり高度な知識や技術が求められております。そのため、日本胃癌学会は2023年4月より条件を満たした診療レベルにある施設を認定する「施設認定制度」を設けました。当院の上部消化管外科は、全国で149施設にのみ認められた「認定施設A」に認定されております。

早期胃癌に対する機能温存を重視した手術から、進行した胃癌に対する手術と抗がん剤を組み合わせた集学的治療まで、多くの選択肢から最も適した治療を提供できるように心がけています。手術のアプローチ法としてもロボット手術を積極的に行っており、侵襲の少ない治療を提供できるよう努めております。

また、食道癌に対しても低侵襲手術を行っており、近年増加傾向である食道胃接合部癌(食道と胃の境界領域の癌)に対しても病態に合わせた治療が選択できるように努めております。

下部消化管チーム

腹腔鏡手術

当科では年間約100件の大腸癌手術を行っており、その約8割が腹腔鏡手術です。腹腔鏡手術は傷が小さく、整容性に優れており、痛みが少なく、術後の回復が早いというメリットがあります。更に当科には日本内視鏡外科学会で認定を受けた技術認定医(大腸)が在籍しており、安全にかつ積極的に腹腔鏡手術を導入しております。

ロボット支援下手術

ロボット支援下手術は2018年より直腸癌に対して保険収載され、2022年より結腸癌に対しても適応が拡大しております。ロボット支援下手術はダビンチという手術支援ロボットを用いて腹腔鏡手術を行います。人間の手を超えた動きが可能な多関節を備えた鉗子、手振れを補正する機能が備わっており、繊細で正確な手術が可能となっております。ロボット腹腔鏡カメラは立体視が可能な3D高精細カメラであり、腹腔鏡手術では確認できなかった細かな解剖を視認しながら手術を遂行できます。

当科ではいち早く2015年からロボット支援下手術を導入しております。現在はダビンチXi2台体制で大腸癌手術を行っており、ほとんどの大腸癌手術がロボット支援下手術で行われております。更に当科にはロボット支援下手術の指導医である日本内視鏡外科学会認定プロクター(大腸)が在籍しており、安全にロボット支援下手術を行っております。

TaTME

肛門に近い癌の手術では永久人工肛門が必要となる可能性が高くなりますが、当科ではTaTME(経肛門的直腸間膜全切除)という手術手技を導入しており、肛門温存が可能となる症例が増えております。ただし癌の進行具合により、永久人工肛門が必要となる症例もあります。

術前化学放射線療法

局所進行下部直腸癌に対しては、術前に化学療法と放射線治療を行う術前化学放射線療法を施行することで、腫瘍の縮小を得てから手術を行う方針としております。腫瘍が縮小して肛門からの距離が確保できたことで、本来なら永久人工肛門が必要であった症例が肛門温存可能となることもあります。

WOCナース

当院には一時的あるいは永久的人工肛門(ストマ)が必要となる患者様の様々な要望に対応するべく、人工肛門管理のスペシャリストであるWOCナースが在籍しており、ストマ外来を開設しております。ストマが必要となる患者様も安心して手術を受けて頂くことができる環境となっております。

肝胆膵チーム

肝臓、胆道、膵臓の外科治療を中心に診療をおこなっています。これらの臓器の癌は診断が難しく、初期には症状に乏しいため、診断時には既に進行癌として見つかることの多い病気です。そのため、手術や抗癌剤治療、放射線治療などが進歩した今日でもなお難治性で、特に予後不良の癌として知られています。

これら難治性の肝胆膵癌に対しては手術だけでの治療には限界があり、国内外のガイドライン、エビデンスに基づいて、術前からの抗癌剤治療や放射線治療を行ってから外科手術に臨んだり、術後再発予防のための抗癌剤治療などを組み合わせた集学的治療を行っています。時に、切除は当初不可能と思われていた超進行癌に対しても、抗癌剤治療や重粒子治療の後に手術(コンバージョン手術)を実施できる症例が増えてきました。切除が難しいと思われるケースでも、一度ご相談ください。

また、肝胆膵領域の手術は長時間に及ぶことも珍しくなく、解剖学的にも重要な血管を温存しなくてはならないなど、難易度の高い手術が多いことも特徴です。個々の患者さんの正確な解剖(血管走行や癌の拡がりなど)をきちんと把握し、安全かつ過不足の無い根治性の高い手術を行うことを心がけています。

近年では、手術支援ロボット(ダビンチ)や腹腔鏡を用いた手術が増加しており、肝胆膵領域でも症例によってはこれらを用いた傷の小さな低侵襲手術を選択することもあります。また、癌に限らず低悪性度腫瘍や胆石症など良性疾患に対する手術も行っています。

対象疾患

上部消化管チーム

胃癌、食道癌、食道胃接合部癌、GIST(消化管間葉系腫瘍)、NET(神経内分泌腫瘍)、食道裂孔ヘルニア、胃・十二指腸穿孔、腐食性食道炎、等

下部消化管チーム

大腸癌、大腸神経内分泌腫瘍、等

肝胆膵チーム

  • 肝臓:原発性肝臓癌(肝細胞癌、胆管細胞癌)、転移性肝癌、その他肝腫瘍、肝内結石症、巨大肝嚢胞など
  • 胆道:胆道癌(肝門部胆管癌、遠位胆管癌、胆嚢癌、十二指腸乳頭部癌)、胆石症、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症、胆嚢炎、膵・胆管合流異常症・胆道拡張症など
  • 膵臓:膵臓癌、その他の腫瘍(膵神経内分泌腫瘍(pNET), 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN), 粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、充実性偽乳頭状腫瘍(SPN))、転移性膵腫瘍(腎癌膵転移など)、慢性膵炎など
  • その他:十二指腸癌、十二指腸神経内分泌腫瘍、脾腫、脾機能亢進症など

診療実績

上部消化管チーム(2024年)

疾患別

  • 胃癌 48例
  • 食道癌8例
  • 食道胃接合部癌2例
  • 胃GIST 7例 
  • 胃NET 2例
  • 食道裂肛ヘルニア 1例
  • 腐食性食道炎 1例
  • 胃・十二指腸穿孔 5例

術式別

  • ロボット幽門側胃切除 31例
  • ロボット噴門側胃切除 5例
  • ロボット胃全摘 4例
  • 腹腔鏡下局所切除 4例
  • 開腹幽門側胃切除 3例
  • 開腹胃全摘 5例
  • 腹腔鏡下胃・十二指腸縫合術 3例
  • 胸腔鏡下食道亜全摘 8例
  • 食道裂肛ヘルニア手術 1例
  • 食道抜去術 1例

下部消化管チーム

年間約100例の大腸癌手術を行っており、その約8割が腹腔鏡手術です。ロボット支援下手術を導入しており、2025年4月現在、ダビンチXi2台体制でほとんどの大腸癌手術がロボット支援下手術で行われております。

肝胆膵チーム

術式 総数 腹腔鏡手術 ロボット手術
膵手術 膵頭十二指腸切除 13 0 0
膵体・尾部切除 11 4 2
膵全摘術 0 0 0
膵部分切除・核出 4 0 0
慢性膵炎手術 4 1 0
総数 32 5 2
肝手術 肝部分、外側区域切除 11 8 2
肝亜区域 4 3 0
肝区域(外側区域切除を除く) 1 0 0
2区域以上 4 1 0
肝切除(胆管切除伴わない)総数 20 12 2
肝切除(胆管切除伴う) 1 0 0
肝切除(2区域以上)+PD 1 0 0
肝切除(胆管切除伴う)総数 2 0 0
胆嚢手術 胆嚢摘出(良性) 108 107 0
(胆嚢+)胆管手術(良性) 1 0 0
(胆嚢+)胆管切除(悪性) 2 0 0
総数 111 107 0

地域の先生方へ

上部消化管チーム

当院では最新の医療技術と専門知識を駆使して、胃癌治療、食道癌治療に全力を尽くしています。そして、個々の患者様に最適な治療を提案し、高い治療効果を上げることを目指しています。 また、消化器内科、腫瘍内科、放射線科、栄養士、リハビリなどの各分野の専門家が連携し、患者様一人ひとりに最適な治療を行っています。高齢化に伴い糖尿病、高血圧など併存疾患も多くみられますが、多数の診療科のある当院では適切に対応して治療を進めていくことが可能です。安心してご紹介いただければと思います。何卒よろしくお願いいたします。

下部消化管チーム

当科では患者様に優しい低侵襲かつ癌の根治を第一に考えた手術を導入しております。大腸の進行癌や根治切除が難しいケースでも腫瘍内科医、放射線治療医と協力して集学的治療を行っております。

肝胆膵チーム

当科には日本肝胆膵外科学会により認定された肝胆膵外科高度技能専門医が3名在籍しており、この分野の専門的知識と高度な技術をもったスタッフが診療に従事しています。また、消化器内科医、腫瘍内科医、放射線科医、病理医などとコミュニケーションを取りながら診断、化学療法、手術、そして緩和医療まで幅広く診療を行っています。更に、内視鏡技術認定医も在籍しており、胆道再建を伴わない肝切除や、膵癌を含む膵切除において、da Vinciや腹腔鏡を用いた低侵襲手術も行っており、症例は年々増加しています。

肝胆膵領域の腫瘍全般に言えることですが、診断・治療には、専門的な知識、技術が必要ですので、肝胆膵領域の腫瘍が疑われた場合には、治療経験豊富な専門施設への紹介・受診をお願いいたします。なお、黄疸症例は正確な病変進展把握のために、減黄処置を行わずにご紹介頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。

医師紹介

当科のスタッフは専攻医を除いて全員が外科専門医を取得しております。更にほとんどの者が消化器外科専門医まで取得しており、様々な手術に対応できる能力を有しております。特に消化器外科としては、上部消化管・下部消化管・肝胆膵それぞれの疾患の専門医を擁して診療に当たっており(表をご参照ください)、より高度な医療を提供いたしております。

2020年7月に医長として加わった林 洋毅は日本肝胆膵外科高度技能専門医であり、同年10月にやはり医長として加わった小山 淳は日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸)の資格を有しております。2021年4月には更に東北大学総合外科から内視鏡手術を得意とする舘 達之が異動となりました。戦力は大幅にアップしております。

島村 弘宗

副院長 島村 弘宗

卒業年 平成2年
専門分野 消化器外科 肝胆膵外科(特に膵臓外科)
専門医資格等 東北大学臨床教授、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医、日本消化器病学会専門医、日本がん治療認定医、日本膵臓学会認定指導医
名前 卒業年 職名 専門分野 専門医資格等
手島 伸 平成元年 総合品質管理推進部長
外科医長
消化器外科
(主に食道、
胃、腹腔鏡)
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器外科学会専門医・指導医
食道科認定医
日本がん治療認定医
林 洋毅 平成9年 外科医長 消化器外科
肝胆膵外科
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本膵臓学会認定指導医
日本胆道学会認定指導医
日本がん治療認定医
TNT研修会修了
小山 淳 平成9年 外科医長 消化器外科
内視鏡外科
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸)
ダヴィンチコンソールサージャンcertificate取得
ロボット支援手術認定プロクター(大腸)
湯目 玄 平成15年 外科医長 消化器外科
内視鏡外科
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本食道学会食道科認定医
ダヴィンチコンソールサージャンcertificate取得
ロボット支援手術認定プロクター(胃)
髙舘 達之 平成16年 外科医師 消化器外科
肝胆膵外科
内視鏡外科
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医(膵臓)
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医
日本がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医
ダヴィンチコンソールサージャンcertificate取得
日本DMAT隊員
梶原 大輝 平成18年 外科医師 消化器外科
内視鏡外科
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
TNT研修会修了
ダヴィンチコンソールサージャンcertificate取得
日下 彬子 平成21年 外科医師 消化器外科
肝胆膵外科
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医
TNT研修会終了
検診マンモグラフィ読影認定医
佐藤 将大 平成28年 外科医師 消化器外科
内視鏡外科
日本外科学会専門医
海野 菜緒 令和5年 外科専攻医 外科一般
樋口 翔己 令和5年 外科専攻医 外科一般
南 慧吾 令和5年 外科専攻医 外科一般
知花 ひかり 令和6年 外科専攻医
吉田 万策 令和6年 外科専攻医

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