救命救急センター紹介

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  • 電話:病院代表(022-293-1111)から 救急科医長 川副 宛て
  • e-mail:kawazoe.yu.yn☆mail.hosp.go.jp ・救急科Instagram DMでも大丈夫です!!
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救命救急センター長 挨拶

救命救急センター長/救急科医長 川副 友

令和4年4月より東北大学病院から当院救急科に赴任し、救急科医長に、同年11月より救命救急センター長に就任いたしました。まだまだ引率者としては若輩者であり、引き続き自分の研鑽を続けながら、仲間、若手と共に考えながら日々の困難に立ち向かっていきたいと考えています。

国立病院機構仙台医療センターの歴史は、交通戦争と呼ばれた昭和40年代に、爆発的に増加した外傷救急に対応するために宮城県地方交通救急センターとして設立されました。昭和53年には救命救急センターに認定され、疾患を含めた3次救急に広く対応してきました。平成28年10月からはドクターヘリの運航(東北大学病院との共同運航)を始め、年間約350件の出動があり、宮城県全域に救急医療を展開しています。令和元年からは新しい施設に移転し、より働きやすい環境で引き続き救急医療に貢献しています。

仙台では救急医療の需要は年々増加しています。交通事故や労災事故も多い上に、高齢化によって救急要請が増加しています。特に高齢者では軽症と考えられる傷病でも、複数の診療科にまたがった診療が必要になったり、容易に重症化してしまうため高次病院での診療が必要になります。当救命救急センターは、仙台の3次救急医療施設として重症患者の診療に対応することは当然のことながら、より広い救急要請に対して仙台の救急医療に貢献し続けなければなりません。

当救命救急センターは、救急科を中心とした救急患者対応に加えて、各専門診療科との協働・連携によって、病院全体として救急医療に取り組んでいます。対応する疾患は、重症外傷、脳卒中、急性心血管疾患、病院外心肺停止、急性腹症、急性呼吸器疾患、急性薬物中毒など多岐に渡ります。また院内救急システムも救急科が中心となって対応し、院内の重症患者に対する集中治療管理も救急科が協力します。複数診療科が対応すべき患者のバランサーとしても機能します。

また、2019年からは世界的に新型コロナウィルスが蔓延し仙台でも流行のたびに対応に追われました。医療者として勤務環境・生活環境が一変し、大きな心身へのストレスがかかりましたが、2024年にようやくコロナ禍が明け、勤務環境・生活環境が戻りつつあります。

これからもどんな災害が待ち受けているか分かりませんが、目の前の患者のため、社会のために何ができるかを組織として自問を繰り返して、与えられた使命を邁進し続けていきます。

さて、我々はこの救命救急センターでは共に働いてくれる先生方を探しています。厳しい環境だからこそ、我々は“楽しく”仕事をする必要があります。が、社会人としての“楽しく”はとても責任が伴います。そして年々、その責任は大きくなります。当施設で“楽しく”救急医ライフin仙台を送ってみるのはいかがでしょうか?お気軽に問い合わせいただき、見学にお越しいただければと思います。

当救命救急センターについて

ERについて(+実績)

診療風景、カンファレンス風景

当院の救急外来は、平日日中は救急科が救急要請に対応します。救急医と研修医で患者の重症度や緊急度によって手分けして診療を分担します。夕方にカンファレンスしてその日の診療を振り返ります。必要に応じて各診療科と円滑に協働して対応します。一方、夜間や土日休日は、内科系、外科系、脳神経系、産科、小児科による当直を行っています。今後の課題として、救急科医師による夜間や土日休日の診療カバー率を増やしていく必要があります。脳外科や放射線科と協働した重症外傷初療、院外心停止症例に対するE-CPR、重症呼吸不全に対するV-V ECMO、救急科によるAcute Care Surgeryなど、限られた医療スタッフで効率よくかつ安全に診療ができるよう、日々の訓練や連携を進めており、シミュレーションを繰り返し協調した動きを訓練します。

救急搬送患者件数および傷病種別 令和6年度(R6.4〜R7.3)実績

  • 2024年度 救急搬送患者数 単位:名
    全患者数 5634
    内訳 脳神経疾患 1020
    循環器疾患 394
    呼吸器疾患 508
    消化器疾患 570
    精神科疾患 66
    産婦人科疾患 164
    代謝性疾患 141
    その他の疾病 1281
    外傷 1120
    中毒 160
    その他の外因 210
  • 図)去年度の救急搬送患者件数および傷病種別

  • 2023年度 救急搬送患者数 単位:名
    全患者数 5806
    内訳 脳神経疾患 1182
    循環器疾患 353
    呼吸器疾患 570
    消化器疾患 525
    精神科疾患 70
    産婦人科疾患 182
    代謝性疾患 132
    その他の疾病 1326
    外傷 1043
    中毒 178
    その他の外因 245
  • 2021年度 救急搬送患者数 単位:名
    全患者数 4969
    内訳 脳神経疾患 1035
    循環器疾患 346
    呼吸器疾患 328
    消化器疾患 499
    泌尿器科疾患 167
    精神科疾患 92
    産婦人科疾患 188
    代謝性疾患 118
    その他の疾病 908
    外傷 994
    中毒 118
    その他の外因 176

ICU、EICUについて(+実績)

ICU風景写真

当院のICUでは、当該科で集中治療を継続しつつ、集中治療部が横断的に管理するオープンICU+集中治療部形式としています。敗血症や重症外傷、強い呼吸障害などであれば、救急科が主科として管理します。ICU(6床)とEICU(20床(オープン)+4床(個室))をワンフロアに備えています。手術室と直結しており円滑な運用が可能です。来年から集中治療専門医研修施設となり、集中治療専従として研修してもらえるようになる予定です。

今後、当センターではより集中治療を充実させる方針ですので、集中治療を勉強したい先生方はぜひご一報ください。

ICU患者件数、傷病種別 令和6年度(R6.4〜R7.3)実績

  • 2024年度 救命救急センター入院患者数 単位:名
    全患者 2441
    内訳 脳神経疾患 639
    循環器疾患 166
    呼吸器疾患 101
    消化器疾患 94
    代謝性疾患 69
    泌尿器疾患 41
    その他の疾患 177
    外傷 247
    中毒 121
    その他の外因 105
    定期手術後 681
  • 図)去年度のICU患者件数、傷病種別

  • 2023年度 救命救急センター入院患者数 単位:名
    全患者 2218
    内訳 脳神経疾患 711
    循環器疾患 134
    呼吸器疾患 84
    消化器疾患 72
    代謝性疾患 50
    泌尿器疾患 27
    その他の疾患 126
    外傷 224
    中毒 124
    その他の外因 88
    定期手術後 578
  • 2021年度 救命救急センター入院患者数 単位:名
    全患者数 1860
    内訳 脳神経疾患 552
    循環器疾患 116
    呼吸器疾患 33
    消化器疾患 85
    代謝性疾患 59
    泌尿器疾患 16
    その他の疾患 125
    外傷 171
    中毒 77
    その他の外因 64
    定期手術後 562

ドクヘリについて(+実績)

当院は平成28年10月より宮城ドクターヘリを運航しています。東北大学病院高度救命救急センターとの共同運航で、週の半分ずつを担当してます。定期的に宮城県担当者、ドクヘリ運航業者(東北エアサービス)、東北大学病院、当院の4者で合同カンファレンスを実施し、情報共有や問題解決に努めています。また年間3回〜4回のドクヘリ症例検討会を実施し、各地域の救急隊や各地域MC医師および隣県ドクヘリスタッフとの連携を図っています。若手医師のOJTを実施し、経験を積めばフライトドクターとして独り立ちします。現在も当院で勤務歴のある救急医たちを中心に非常勤医師としてフライトドクターを担当してもらっています。ドクヘリでは時に緊迫した現場活動を通して、病院内では経験できない緊張感、達成感を感じることもできます。またドクヘリからとてもきれいな景色を見ることができることもあります。

ドクターヘリに載りたい、という先生方はぜひご一報ください。(日本救急医学会専門医に限りません。)

ドクヘリ出動件数と傷病種別 令和6年度(R6.4〜R7.3)実績

  • 2024年度 ドクターヘリ活動 単位:件
    全出動 140
    内訳 外因・交通外傷 24
    外因・労災事故 8
    外因・転落外傷 16
    外因・アナフィラキシー 13
    外因・その他 6
    内因・中枢疾患 28
    内因・心血管疾患 20
    内因・その他 10
    キャンセル 15
  • 図)昨年度のドクヘリ出動件数と傷病種別

  • 2023年度 ドクターヘリ活動 単位:件
    全出動 168
    内訳 外因・交通外傷 30
    外因・労災事故 10
    外因・転落外傷 26
    外因・アナフィラキシー 8
    外因・その他 17
    内因・中枢疾患 25
    内因・心血管疾患 19
    内因・その他 8
    キャンセル 25
  • 2021年度 ドクターヘリ出動件数 単位:件
    脳疾患疾患 42
    循環器疾患 28
    その他の疾患 32
    外傷 65
    その他の外因 16
    単位:件
    外因・交通外傷 28
    外因・労災事故 9
    外因・転落外傷 18
    外因・その他 25
    内因・中枢疾患 35
    内因・心血管疾患 30
    内因・CPA 9
    内因・その他 15
    キャンセル 18

院内救急体制について

当院ではRRSとしてMETコールを実施しています。NPを中心としてコールに対応し、必要に応じて救急科医師と内科医師で協力して対応するシステムです。院内急変に対しては、館内放送で医師が参集するドクターハリーコールを敷いています。中でも救急科は率先して対応し、その後ICU管理となれば救急科が協力して診療します。METラウンドという活動では病棟に潜む高リスク患者をラウンドし、担当看護師と情報を共有することで万が一に備えられるようにしています。今後も院内の安全に対して救急科がシームレスに協力できるように努めます。院内救急体制に関しても救急科が夜間土日休日もカバーできるようにすることが課題です。

災害体制について

仙台医療センターは宮城県の基幹災害医療センターであるとともに、全国10施設の国立病院機構災害拠点病院のひとつに指定されています。実災害の対応として、1995年の阪神・淡路大震災、2012年・FIFAワールドカップ集団災害対応、2004年・新潟県中越地震などで医療救護班の派遣を、また2008年・岩手宮城内陸地震ではDMATを派遣しております。

2011年の東日本大震災では、災害拠点病院として多数傷病者の受け入れを行う一方、DMATの宮城県における参集拠点となり、活動拠点本部が設置されました。当院DMATも、仙台市の陸上自衛隊・霞目航空基地に設置されたSCU(航空搬送医療拠点)にDMAT統括チームとして出動し、指揮調整に当たりました。急性期以降は全国の国立病院機構医療班の参集・活動拠点となり、医療支援の基地機能を担いました。

震災で得られた経験を糧とし災害対応能力を維持・向上させるべく、現在も当院内ならびに院外で数々の訓練を行っております。また、宮城県総合防災拠点構想の一環として、仙台医療センターの隣接地帯を宮城野原災害拠点として整備する計画があり、消防・警察・DMATの航空災害活動拠点や後方支援拠点とするなど、ハードの面の整備がなされる方針です。 災害医療に興味のある先生方はぜひご一報ください。

  • 市立和島病院内DMAT本部活動

  • CH47機内のDMAT活動

  • 東日本大震災DMAT活動

  • 東日本大震災DMAT活動

  • 北海道地震DMAT活動

  • 令和元年台風19号災害 DMAT活動

教育体制について

当救命救急センターでは、日本救急医学会専門医の専攻医プログラムを履修することができます。当院での研修を中心にいくつかの研修協力病院で研修することができます。日々の診療の中で、複雑な病態や重篤な患者にも最新の知見を求め、諦めることなく根気強く診療することが身につきます。スタッフによる抄読会や研修医との勉強会など、毎日が学びの場になります。

当院では、AHA-BLS・ACLSコースや、日本ACLS協会・宮城トレーニングサイトとの共催でACLSコース、外傷蘇生コースとして宮城県医師会ならびにPTLSネットワークとの共催で重症外傷蘇生コース(医師・看護師)を開催します。コース開催に興味のある先生方はぜひご一報ください。

学会活動・研究について

当救命救急センターでは、「今日の治療は最善の治療ではない!次の患者のために今日の患者のデータを大切にしなければならない。」という認識をもって、今後、学術活動に積極的に取り組んでまいります。

現在、当救命救急センターは以下の臨床研究に参加しています。

  • LIMIT trial
  • SAVE-J NEUROTHERMO trial
  • BIEM-J study

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