救命救急センターの紹介

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センターの紹介

概要

国立病院機構仙台医療センター 救命救急センターは、人口約107万人の仙台市、約149万人の仙台医療圏を背景とする三次救急医療機関です。救命救急センターの使命は文字通り「救命救急」であり、突如として生命危機に瀕した重篤な患者さんを24時間365日受け入れ、救命医療を行うことです。対応する傷病は多岐にわたり、重症外傷、急性脳卒中、急性心筋梗塞、急性腹症、心肺停止など、内因性・外因性を問いません。中でも、下段の【診療実績】に示すとおり、重症外傷と重症脳血管障害のボリュームが多いのが当院の特徴と言えます。現場救急隊および消防司令室からの要請、あるいは一次・二次医療機関からの紹介により患者さんを受け入れています。平成26年度の救急車搬送患者数は約5,000名で、仙台医療圏からの搬入が最多ですが、仙台医療圏以外からの高次転送にも対応しています。

構成

当院救命救急センターは、初期診療部門である「救急外来」と、集中治療部門である「救命救急センター病棟」から構成されています。

救急外来では、搬入された患者さんの気道・呼吸・循環の安定化を図るとともに、各種診断ツールを駆使して状態不良の原因を突き止め、根本的治療につなげていきます。MD-CTや血管造影室などの放射線部門が救急外来に隣接しており、画像診断やIVR(Interventional radiology;画像診断下治療)に強い力を発揮しています。手術治療は原則、救急外来隣接のエレベーターで3階手術室に移動して行います。しかし移動するだけの猶予がない場合には、救急外来で緊急に手術的処置を行うこともあります。

救命救急センター病棟は18床の専用病床を有し、主に救急外来で初期診療を受けた重症救急患者さんの集中治療を行います。また、院内一般病棟で発生した急変や大手術後の集中治療にも対応します。気道・呼吸・循環・意識・体温・代謝などの生理学的異常をもたらす病態の根本的治療を行い、生命危機からの脱却を図ります。しかる後、院内一般病棟や他病院への転送、あるいは直接退院としています。

診療実績

年間重篤患者数(平成25年4月〜平成26年3月)

※一つの症例で複数の項目に該当する場合は、最も適切なもの一つのみを選択。

番号 疾病名 基準(基準を満たすもののみ数えること) 患者数(人)
1 病院外心停止 病院前心拍再開例、外来での死亡確認例を含む 124
2 重症急性冠症候群 切迫心筋梗塞、急性心筋梗塞又は緊急冠動脈カテーテル施行例 43
3 重症大動脈疾患 急性大動脈解離又は大動脈瘤破裂 15
4 重症脳血管障害 来院時JCS 100以上、開頭術、血管内手術施行例又はtPA療法施行例 257
5 重症外傷 Max AISが3以上又は緊急手術施行例 497
6 重症熱傷 Artzの基準による 12
7 重症急性中毒 来院時JCS 100以上又は血液浄化法施行例 13
8 重症消化管出血 緊急内視鏡施行例 58
9 重症敗血症 感染症SIRSで臓器不全、組織低灌流又は低血圧を呈する例 53
10 重症体温異常 熱中症又は偶発性低体温症で臓器不全を呈する例 10
11 特殊感染症 ガス壊疽、壊死性筋膜炎、破傷風等 3
12 重症呼吸不全 人口呼吸器管理症例 43
13 重症急性心不全 人口呼吸器管理症例又はSwan-Ganzカテーテル、PCPS若しくはIABP使用症例 27
14 重症出血性ショック 24時間以内に10単位以上の輸血必要例 1
15 重症意識障害 JCS 100以上が24時間以上持続 18
16 重篤な肝不全 血漿交換又は血液浄化療法施行例 0
17 重篤な急性腎不全 血液浄化療法施行例 2
18 その他の重症病態 重症膵炎、内分泌クリーゼ、溶血性尿毒症性症候群などで持続動注療法、血漿交換又は手術療法を実施した症例 11
合 計 1187

教育研修

院内の職員はもちろんのこと、地域の医療従事者の救急対応能力の向上をめざして、救急初期診療に関する研修会を、当院を会場として開催しております。

心肺蘇生ならびに心血管緊急治療の研修会として、AHA—BLS・ACLSコースを、日本ACLS協会・宮城トレーニングサイトとの共催で年に数回、行っております。

また、重症外傷蘇生コースとして、PTLS(Primary-care Trauma Life Support)医師・看護師コースを、宮城県医師会ならびにPTLSネットワークとの共催で毎年開催しております。

災害医療

仙台医療センターは宮城県の基幹災害医療センターであるとともに、全国10施設の国立病院機構災害拠点病院のひとつに指定されています。建物の耐震化、電気・水の自立供給、通信基盤など、施設・設備を整備するとともに、毎年院内災害訓練を実施してきております。実災害の対応として、1995年の阪神・淡路大震災、2012年・FIFAワールドカップ集団災害対応、2004年・新潟県中越地震などで医療救護班の派遣を、また2008年・岩手宮城内陸地震ではDMATを派遣しております。

2011年の東日本大震災では、災害拠点病院として多数傷病者の受け入れを行う一方、DMATの宮城県における参集拠点となり、活動拠点本部が設置されました。当院DMATも、仙台市の陸上自衛隊・霞目航空基地に設置されたSCU(航空搬送医療拠点)にDMAT統括チームとして出動し、指揮調整に当たりました。急性期以降は全国の国立病院機構医療班の参集・活動拠点となり、医療支援の基地機能を担いました。

震災で得られた経験を糧とし災害対応能力を維持・向上させるべく、現在も当院内ならびに院外で数々の訓練を行っております。

また、宮城県総合防災拠点構想の一環として、病院の移転新築計画が進んでいます。航空搬送対応能力の強化など、ハードの面でもこれまで以上に災害に強い病院を目指しています。

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