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(診療風景)
原因によらず、さまざまな臓器不全や多臓器不全を発生している重症患者に対して、精密かつ高度な機器を用いた全身管理と全身的全人的ケアを提供するための治療体系全体のことを指します。大きな手術を受けた患者さんの管理も引き受けます。急性期に最大限の救命治療を求めることにとどまらず、治療後にも心身ともなるべく元気になっていただけるように考えて診療します。最近の集中治療では、呼吸、循環、脳神経保護などの機器を使用した生命維持治療と同時に、早期からリハビリテーションを行うことが常識となりました。当院では特に早期リハビリテーションに力を入れて取り組んでいます。当然、一般的な病棟では集中治療はできないので、集中治療室(ICUもしくはEICU)に入室していただいて治療に当たります。
近年の研究で、大きなけがや病気のため集中治療を受けた患者さんの多くに、廃用症候群を含む心身の後遺症が合併し、その後の生活に多大な影響を及ぼすことが分かりました。また患者さん本人だけでなく家族にとっても心理的、経済的負担を生じることも分かりました。それらを総称して集中治療後症候群(PICS)と言います。PICSをなるべく生じないようにするためのケアや治療はいまだにはっきりと解明されていないのですが、早期からリハビリテーションを行うこと、適切な栄養管理や薬剤管理を実施すること、家族さまへの理解を促進するような病状説明や面会方法が重要であると考えられています。我々は既存の医療にとどまることなく、定期的に勉強会を重ね、より良い医療に取り組んでいきます。
(集中治療室の様子)
ICU(6床)とEICU(19床(オープン)+5床(個室))をワンフロアに備えています。ICUでは特定集中治療加算の対象となるような急性期の重症患者を管理していますが、EICUにも重症患者やハイリスク患者を管理しています。また手術室と直結しており円滑な運用が可能です。いずれの病床も広い空間と明るい間取りが特徴です!
当院の集中治療部は、集中治療専門医3名、集中治療認定看護師3名、専従理学療法士2名、専任管理栄養士2名、専任臨床工学技士、担当薬剤師を核にチーム構成されています。Semi-closed ICU方式により、患者さん(家族)および主治医を集中治療部がチームとしてサポートして、より高度で安全な集中治療を円滑に提供します。
集中治療部では、毎日、多職種スタッフが集まって患者さんのラウンドをしたり、カンファレンスを実施し、各職種の連携を強めチーム力を最大限発揮できるように心がけています。
(朝のカンファレンス風景)
(ラウンド風景)
(多職種カンファレンス風景)
令和5年度から当院は集中治療専門医研修施設となり、集中治療専従医として研修を含め集中治療専修医としての修練が可能となりました。集中治療医は多職種チームの核として多くの知識知見を求められるだけでなく、チームの顔としてのヒューマニティーとリーダーシップが求められます。責任は重大ですが、熱いスタッフに恵まれて楽しくチーム医療を展開しています。集中治療を勉強したい先生方はぜひご連絡ください!
当院では救急科・麻酔科の協力体制で集中治療部を運営しています。どちらかに所属のうえ、集中治療を研修していただくことができます。
現在、集中治療部門で2名の診療看護師が医師と共に診療にあたっています。ICUには呼吸不全や心不全、敗血症など重症患者さんや、心臓血管手術や脳神経外科手術などの術後の患者さんが入室しますので、重症循環器・呼吸器疾患に対する全身管理や呼吸器、透析及び補助循環装置(IABP・ECMP)などの管理が必要です。私たちはICUのNPとして、医師の診療の補佐だけでなく看護師目線で医師をはじめとする多職種と協働し、患者中心の医療を提供することに貢献したいと考えております。
看護師2年目〜ベテラン看護師が配置し、多岐にわたる診療科の患者さんを、多職種と連携しチーム一丸となって、患者さんの早期回復に向けケアの提供に努めています。クリティカルラダーに則った教育計画をもとに、先輩看護師と若手看護師がマンツーマンで指導するなど、看護師育成にも力を入れています。ワンチーム感があり、看護師のやる気に満ち溢れたユニットです。
それぞれの患者さんにとってはICUにいるのは人生のほんの一部の時間ですが、患者さんや家族の人生を大きく左右する出来事です。心身ともに生活者として社会復帰できるよう、寄り添った看護を提供していきたい!と思って毎日ケアにあたっています。
専任臨床工学技士のうち1名が集中治療専門臨床工学技士および呼吸治療専門臨床工学技士を取得しており、集中治療室で使用される医療機器が安全かつ適正に設定されていることを常に確認し患者さんの回復のサポートに努めています。
トラブル対応については24時間体制をとっており、多職種チームが安心して医療機器を使用できる環境づくりに努めています。
救命救急センターに理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士が専任しております。特定集中治療室や救命救急室等に入室した患者に対し、医師、看護師、臨床工学技士、管理栄養士、薬剤師の多職種からなる早期離床・リハビリテーションチームEMT(Early Mobilization Team)として、患者の運動機能、呼吸機能、摂食嚥下機能、消化吸収機能及び排泄機能等の各種機能の維持、改善又は再獲得に向けた支援を行っております。
救命救急センターに入院される患者さんに使用する薬剤は複雑であり、また患者さんの状態も常に変化します。私たち病院薬剤師は薬のエキスパートとして患者さんに最善の治療を提供できるよう、薬剤の効果・副作用・相互作用などを総合的に判断し、チームメンバーとの連携をしつつ薬物療法の支援を行っています。安全で最適な治療を実現するため、病院受診の際にはお薬手帳の携帯をお願いします。
栄養士を2名配置して、重症患者さんの臨床栄養管理を多職種連携で実施しております。集中治療開始後、早期から腸管を使用して栄養補給することは、感染症の減少や予後の改善につながることが報告されており、重症患者さんの早期離床や在宅復帰を推進する観点からも早期の栄養介入は重要であります。ICU専任管理栄養士は、ICUチーム回診やカンファレンスにおいて栄養状態の評価を行い、個々の症状や状態に合わせて栄養補給計画の策定を行っております。低栄養の改善や栄養状態を維持することで治療に貢献することはもちろんのこと、食事のやりとりを通して、少しでも患者さんに寄り添った栄養管理につながるよう日々の業務に取り組んでおります。
ICU入室患者診療科別(令和5年度)
EICU入室患者診療科別(令和5年度)
ICU入室患者診療科別(令和4年度)
EICU入室患者診療科別(令和4年度)
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