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緩和ケアチーム室の窓から
医療従事者の方へ
当院では2005年10月に緩和ケアチームが結成され、入院中の患者さんとそのご家族を支援してきました。2009年9月には、外来通院中の患者さんやご家族の緩和ケアの充実も図るため緩和ケア外来を開設しました。2012年1月から「緩和ケア内科外来」、2020年4月から「緩和ケア内科外来(ペインクリニック)」と名称を変更し現在に至ります。
世界保健機構(W H O)の定義(定訳):
緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族の QOL を、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を 行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。
緩和ケアは、痛みやその他のつらい症状を和らげる。緩和ケアは、生命を肯定し、死にゆくことを自然な過程と捉える。緩和ケアは、死を早めようとしたり遅らせようとしたりするものではない。緩和ケアは心理的およびスピリチュアルなケアを含む。緩和ケアは、患者が最期までできる限り能動的に生きられるように支援する体制を提供する。緩和ケアは、患者の病の間も死別後も、家族が対処していけるように支援する体制を提供する。緩和ケアは、患者と家族のニーズに応えるためにチームアプローチを活用し、必要に応じて死別後のカウンセリングも行う。緩和ケアは、QOLを高める。さらに、病の経過にも良い影響を及ぼす可能性がある. 緩和ケアは、病の早い時期から化学療法や放射線療法などの生存期間の延長を意図して行われる治療と組み合わせて適応でき、つらい合併症をよりよく理解し対処するための精査も含む。
(大坂 巌, 渡邊 清高, 志真 泰夫, 倉持 雅代, 谷田 憲俊, わが国におけるWHO緩和ケア定義の定訳─デルファイ法を用いた緩和ケア関連18団体による共同作成─, Palliative Care Research, 14(2), 61-66, 2019.)
日本緩和医療学会では、緩和ケアを紹介する動画が公開されています。
がん診断の不安を乗り越える!がん相談支援センターで受ける緩和ケア
医療用麻薬の不安と向き合う - 痛み緩和で生活の質を改善する方法
緩和ケアチームが不安解消!心と身体をサポートするがん患者の味方
抗がん剤治療と共に歩む緩和ケア - これからの生き方を描く
かつては緩和ケア≒終末期医療と考える人が多かったのですが、医療が開始される早い時期から緩和ケアチームが関わると終末期ケアの必要性が減り、生存期間が延長することが明らかとなっています。
早期緩和ケア群では標準ケア群よりも積極的な終末期ケアを受ける必要が少なく(33% vs 54%、P=0.05)、生存期間は早期緩和ケアを受けた患者の方が長かった(11.6ヵ月 vs 8.9ヵ月、P=0.02)。
JenniferS. Temel NEJM 2010
緩和ケアの中でもがん医療に関わる緩和ケアは積極的抗がん治療の一つと位置付けられ、「がん支持療法」とも呼ばれています。
(日本サポーティブケア学会 http://jascc.jp/about/mission/)
緩和ケアチームとは、患者さん、ご家族の苦痛をやわらげ、Q O Lを向上させるために活動している専門チームです。メンバーは、身体症状の緩和を担当する医師、精神症状の緩和を担当する医師、緩和ケアを専門とする看護師、薬物療法を専門とする薬剤師、栄養士、理学療法士等で構成されています。
身体症状担当医 (専従) 緩和ケア内科医長 |
高橋 通規 | 日本緩和医療学会認定医 日本内科学会認定内科医 日本サイコオンコロジー学会認定ファシリテーター 日本緩和医療学会緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了者(http://www.jspm-peace.jp/authdrlist.php) |
身体症状担当医 (専従) 緩和ケア内科医長 |
田島つかさ | 日本緩和医療学会専門医 専門医機構認定麻酔専門医 日本ペインクリニック学会認定医 日本緩和医療学会緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了者(http://www.jspm-peace.jp/authdrlist.php) 認知症サポート医 |
身体症状担当医 (兼任) |
櫻井 睦美 | 日本救急学会専門医 (在宅療養支援施設勤務と仙台医療センター兼務) |
身体症状担当医 (兼任) 腫瘍内科部長 |
鈴木 貴夫 | 日本内科学会認定内科医 日本消化器内視鏡学会専門医 東北大学医学部臨床教授 |
精神症状担当医 (専任) 精神科医長 |
菊池 孝 | 精神保健指定医(国家資格) 日本精神神経学会専門医・指導医 日本総合病院精神医学会特定指導医 日本児童青年精神医学会認定医 仙台市精神保健福祉総合センター嘱託医 仙台市精神保健指導医 |
精神症状担当医 (兼任) 総合精神神経科部長 |
岡崎 伸郎 | 精神保健指定医(国家資格) 日本精神神経学会専門医・指導医 日本精神病理学会評議員 日本精神科救急学会代議員 日本総合病院精神医学会評議員 全国精神医療審査会連絡協議会理事 宮城県精神保健福祉協会理事 宮城県精神医療審査会委員 栗原市精神保健指導医 仙台地方裁判所専門委員 |
口腔ケア担当 | 玉木 祐介 | 歯科医師 |
専従看護師 副看護師長 |
橋 紀子 | がん看護専門看護師 がん性疼痛看護認定看護師 |
兼任看護師 血液内科病棟 |
竹内 美和子 | 緩和ケア認定看護師 |
薬剤師 (専任) |
鈴木 訓史 | 緩和薬物療法認定薬剤師 がん薬物療法認定・専門薬剤師 緩和医療暫定指導薬剤師 |
薬剤師 (兼任) |
小野 あゆみ | 薬剤師 |
薬剤師 (兼任) |
東 敬太 | がん薬物療法認定薬剤師 |
栄養士 (兼任) 栄養管理室長 |
小原 仁 | がん病態栄養専門管理栄養士 栄養サポートチーム専門療法士 |
栄養士 (兼任) |
小野寺 弘恵 | 管理栄養士 |
理学療法士 (兼任) |
野田 加奈子 | 理学療法士 |
事務担当 | 渋谷 真弓 | 医師事務作業補助 |
基本的な緩和ケアの提供は緩和ケアの専門家以外でも行います。しかしそれだけでは緩和されない苦痛が生じることがあります。緩和ケアチームは、通常対応では十分緩和されない辛さが和らぐようサポートいたします。また、正解のない問題(スピリチュアルペイン、倫理的ジレンマなど)についても一緒に取り組ませていただきます。
緩和ケアも救急医療と同様に一次、二次、三次緩和ケアが定義されています。
当院の緩和ケアチーム活動は、専門チームとしての活動のほかに医療者の学習支援、A C Pの普及、学会活動などのミッションを負い、二次、三次緩和ケアに該当します。
休日、祝祭日を除く毎日活動をしています。
依頼をいただいた後、可及的速やかに病棟に伺って困りごとをお聞きして対応を相談しています。原則としてその後は継続的にサポートで関わらせていただきます。 毎週1回、チームメンバーによる相談症例のカンファレンスを行っています。
※患者様の許可をいただいて掲載
当院の緩和ケアチームは、血液内科、耳鼻咽喉科からの依頼が多いのが特徴です。診断時・初回治療開始時からの紹介も多く、抗がん剤や放射線による副作用対策でのサポートが中心です。そのようながん支持療法のほか、終末期ケアのサポートも行います。
「こんなに楽になるならもっと早く相談しておけばよかった」
「長く苦しんできたのが嘘のようです」
「皆さんにサポートしてもらったおかげで癌を克服できました」
「こういう風にまた歩けるようになるとは思っていませんでした」
「緩和ケアは末期医療だけではなかったんですね」
「痛みが取れて、早く帰ることができて感謝です」
「もっと多くの人に知ってもらいたい」
「こんなに話を聞いてもらえたのは初めてです」
「母が亡くなるまでの間の不安を軽くしていただきました。ありがとうございました」
緩和ケアチームに「辛さを和らげて欲しい」「悩みを相談してみたい」「緩和ケアについてもう少し詳しく聞きたい」などのご要望を、主治医又は担当看護師にお伝えください。
患者さん・ご家族 → 主治医、担当看護師、担当薬剤師等 → 緩和ケアチームに連絡
患者さん・ご家族 → 外来担当医緩和ケアチームに連絡 → 受診日の調整
患者さん・ご家族 → かかりつけ医 → 地域医療連携室 → 緩和ケアチームに相談し受診日の調整
「症状をやわらげる総合診療」外来として、外来通院の方のために平成24年1月から緩和ケア診療を行う緩和ケア内科が開設されています。また、令和2年4月からはペインクリニック外来を併設し神経ブロック等の専門的治療も始めました。
緩和ケアに関連して、患者さんやご家族に治療中の痛みに関する情報提供をしたり、医療用麻薬の誤解や不安を解く目的で開始しました。
COVID-19感染拡大に配慮してしばらく休止しておりました。再開に関しては検討中です。
なお、その期間中も当院ではウェブ上では緩和ケアやがん治療に関する情報を発信しております。
がん市民医学講座「緩和ケア 最近の話題」
がんサロン「がん薬物療法の副作用と対策について」
がんサロン「口腔ケアの必要性と口腔ケアの方法について」
緩和ケア勉強会医療従事者向けに緩和ケアの普及を目的に年3回、院外から著名な講師を招聘して勉強会を開催しております。最新の日程は以下のリンクにてご確認ください。
当院は地域がん診療拠点病院の責務として、宮城県緩和ケア研修プログラムに基づき全ての医療従事を対象に緩和ケア研修会を平成2009年から年1回のペースで実施しています。
ELNEC(The End-of-Life Nursing Education Consortium)は、すべての人々へ質の高いEOLケアを届けるため2008年より始動した、エンドオブライフケアに携わる看護師を教育する指導者養成のためのプログラムです。当院では、このプログラムの指導者の資格を持つ看護師が地域の皆様と共に学ぶことを目的にこの研修会を開催しています。
(詳細は「ELNEC-J コアカリキュラム 看護師教育プログラム IN 宮城」で検索を。令和5年度は募集期間終了。次年度計画は準備中。)
当院と連携している在宅医療支援施設(訪問診療医、訪問看護師等)と合同で随時カンファレンスを行い、さらなる連携体制の強化やより良いサービス提供を目指しています。
当院は日本ホスピス緩和ケア協会の施設会員です。同協会を通じて見学研修を行うほか、随時見学を受け付けております。緩和ケアに携わる全ての医療関係者が対象です。
連絡先:緩和ケアチーム事務担当 渋谷 shibuya.mayumi.uf☆mail.hosp.go.jp
※「☆」は「@」に置き換えて送信して下さい
当院は日本緩和医療学会認定専門医修練施設に指定されています。以下の2つの条件を満たせば医師免許取得後最短5年で取得可能で、希望される場合は緩和ケア内科の医師がサポートします。
認定医の取得もサポートします。
当院は日本ペインクリニック学会認定の専門医修練施設に指定されており取得に関する以下の5条件を満たすことが可能です。希望者には専門医取得のための支援を行います。
認定医の取得もサポートします。
〒983-8520 宮城県仙台市宮城野区宮城野二丁目11番12号
TEL:022-293-1111(代表)FAX:022-291-8114
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