ウイルスセンター トップ >> 地域のパンデミックプランニング >>「新型インフルエンザに関するガイドライン(フェーズ4以降)(案)」について
西村秀一
独立行政法人国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室長・ウイルスセンター長
1月19日、厚生労働省が新型インフルエンザ専門家会議にフェーズ4以降のガイドラインの原案を提示し、その後1月31日、それを新型インフルエンザに関するガイドライン(フェーズ4以降)(案)としてパブリックコメント募集に載せた。これについて、紹介がてら若干の解説をし、筆者の感想を述べる。読者のみなさまにも、ぜひ読んでいただきたい。
はじめにお断りしておくが、本稿は、申し訳ないが「公衆衛生」という看板を大上段に構えた解説文ではない。どちらかというと、題名の内容を題材としたエッセイである。
本稿の依頼を頂いたときには(2006年秋)、「新型インフルエンザ対策行動計画の問題点」を指摘せよとの指示であった。すでに、本誌のちょうど一年前の号に、地域のパンデミックプランニング「都道府県の新型インフルエンザ対策『行動計画』を概観する」を寄稿していることもあり最初はお断りした。しかし、その後、5月にマイナーな改定があり、さらに6月に「インフルエンザ(H5N1)に関するガイドライン−フェーズ3−」が、新型インフルエンザ専門家会議名で出されているのを知り、そこで、それらを勉強するのもいいかと思い直し、お引き受けしたのだった。
ただ、それでもなかなか筆が進まず、悶々としながら当初の原稿の締め切りが目の前を通り過ぎていってしまっていた。そんなとき、厚生労働省が1月19日に新型インフルエンザ専門家会議にフェーズ4以降のガイドラインを出すようだとの情報がマスコミ筋から飛び込んできて、はたしてその通りになった。宮崎の養鶏場での新たなH5の鳥インフルエンザのアウトブレークもあってか、新聞等、報道がこれを大きくとりあげ、それらは、筆者が見た限りでは、実効性が未知数だが一歩前進といった論調であった。
そこで、渡りに舟、急遽予定を変更しこれをとりあげることにした。筆者は専門家会議の委員でもなく、したがって詳しい事情等は知る由もなく、本来ならこの件に関してわけ知り顔で解説できる立場の人間ではない。だが、自分が目を通した限りにおける私的コメントを書くくらいは許されていいであろう。本稿はその程度のものである。ご了解いただきたい。
背景には、海外でのH5インフルエンザの症例(ニワトリもヒトも)の出現が一向におさまらず(フェーズ3)、新型インフルエンザの出現の懸念が一向に払拭されない現状がある。そして、先進諸外国はすでに相当長い時間をかけて対策を考えてきている一方、本邦各都道府県の新型インフルエンザ対策行動計画の多くが、具体性に乏しくさらに大流行時の対策案が極端に手薄であるということがある(前出「都道府県の新型インフルエンザ対策『行動計画』を概観する」)。現状の鳥インフルエンザ対策にはなっているがパンデミック対策にはなっていないという思いは、多くの関係者の中に強くあったことは想像に難くない。
そうした背景のもと、伝え聞くところによれば、厚生労働省は、昨年11月末に本ガイドライン(案)の作成に着手したという。そして本年1月19日の原案提示である。この厚生労働省の原案について専門家会議で出た意見をふまえ、一部修正の上、パブリックコメントにかけるということであった。
その後、聞くところによると、この会議には、全国衛生部長会の代表が出席しており、同案が、各都道府県にも送られ、さらに1月26日に全国衛生部長会協議会がおこなわれ、この席上厚生労働省健康局結核感染症課からガイドライン(案)についての概要が提示され、2月にパブリックコメント募集を行い、3月末までにガイドラインを確定したいとの説明があったという。
そして1月31日のパブリックコメント募集開始である。それが終わって何がしかの会議を経たのち、本稿が活字になるころには、すでに表題から「(案)」が抜けたものが世に出ていることであろう。たぶん、原案とそう大きくは変わらないと想像されるので皆様にもぜひごらんいただきたい。
1月31日に、以下の13件のガイドライン案が提示され(ただし、7番めは表紙だけで内容は未提示)、新型インフルエンザ専門家会議名での、厚生労働省健康局結核感染症課を事務局とする本年3月1日提出期限、一か月間の、「任意の意見募集」としてのパブリックコメント募集が始まった。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?OBJCD=100495
1.(案)新型インフルエンザ発生初期における早期対応戦略ガイドライン(24ページ+図2つ)
2.(案)新型インフルエンザ積極的疫学調査ガイドライン パンデミックフェーズ4〜6(9ページ+図1つ)
3.(案)新型インフルエンザに関する検疫ガイドライン (20ページ+図1つ)
4.(案)新型インフルエンザ対策(フェーズ4以降)におけるサーベイランスガイドライン (概要+17ページ+図1つ)
5.(案)医療体制に関するガイドライン (9ページ+図2つ)
6.(案)医療施設等での新型インフルエンザ感染対策ガイドライン(概要+19ページ)
7.(案)新型インフルエンザ診断検査ガイドライン(作成中)
8.(案)新型インフルエンザワクチン接種に関するガイドライン(概要+8ページ)
9.(案)抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン(概要+4ページ)
10.(案)事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(概要+5ページ)
11.(案)個人および一般家庭・コミュニティ・市町村における感染対策に関するガイドライン (概要+10ページ)
12.(案)埋火葬の円滑な実施に関するガイドライン (概要+6ページ)
13.(案)情報提供・共有(リスク・コミュニケーション)に関するガイドライン (概要+10ページ)
なお、主な分野ごとのガイドラインの内容と主要論点が、「パブリックコメント実施の趣旨」の終わりの方に、表として簡潔にまとめられている。
今回のガイドライン(案)は、これまでのものと違い、大流行を大きく意識したもので、それだけわれわれには実体験のない部分が多く、筆者が考えるに、大きく2つ一般国民にとって目新しい概念が含まれている。それらは、相当意欲的であるがために、一般の人たちにとっては、どちらかというと映画のようなフィクションの世界を想像するような、相当ドラスティックな内容である。筆者には、本当にそれをやるのか、やるならどのような手続きで、どのようにやるか、今後、社会的コンセンサスが絶対的に必要となってくると思える。まずは、ここでそれらについての私見を簡単に述べる。
これは、囲みの表に掲げた1番目のガイドラインに書かれてあることであるが、流行早期、感染者の周囲の人びと、さらには感染地域住民に対して抗ウイルス薬の予防投与を行い、流行を封じ込めようというアイデアで、地域封鎖、移動制限という文言まで出てきている。しかし、ことばでは簡単だが、よく考えると、これには、実効性を目標にすれば必然的に単なる「お願い」では不十分で、服薬の強制や社会活動等の行動制限が不可欠なはずである。そうなると個人の権利との兼ね合いが当然問題になってくる。法的拘束力を持たせることができれば成立するが、そのための法整備には相当の努力がいると思われる。いつのころからか日本には「超法規的」ということばが存在するようになったが、これもそれで突っ走るのか、そうなった場合の決断と実行と責任は、ひとり厚生労働省のものではないと思われる。
これは8番、9番のワクチンと抗ウイルス薬の使い方に関連して出てくるのだが、想定される患者の出現数にくらべて少ない医療資源を、どのように分配するかの問題である。とくにワクチン選択肢がいくつか示されている(というより抗ウイルス薬の方には、どういうわけかワクチンほどの選択肢がない)。選択決断は、どれを選んでも犠牲を強いられる人たちが出る厳しいものになる。具体的にどのような人たちを優先させるのか、国民意識と大局的判断のバランスが求められる。いずれにしても誰かが批判を覚悟で決断しなければならない時がやって来る。それは、誰か。その人のそのときの決断のために、判断材料としての国民意識と判断の根拠となるものを、その時が来る前にきちんとそろえて世に明らかにしておく必要があろう。
パブリックコメントもそのための手段の一つであろう。意見募集にあたって、とくに以下のような表が付け加えられている。そこに寄せられる意見の数がどれだけになるかは知らないが、それが国民の意識を表しているとするか。たぶんもともと、パブリックコメントの募集は、国民投票的な意味を持たせているわけではないと思われる。あるいは有識者(インフルエンザ専門家という意味ではない)とされる人たちの議論を待つか。だが、最終的に決めるのが誰にせよ、決断までの過程は透明にするべきと思う。その過程を逐一公開するなかで、国民のあいだでのいっそうの議論も期待できるのである。
意見募集にあたっては、「国民の皆様に御意見を頂きたい主な課題」として次の4つの項目が挙げられている。(「ガイドラインへの御意見募集について」の原文そのまま)
着手から約1か月で完成した草案。確かにだらだら何年もかければいいというものではないが、ややロジックの乱れなども見られ、やはり大急ぎでつくったといった感は否めない。ただし、「今後様々なレベルでの議論を踏まえて改訂されることを前提としている」としており、担当した人たちにもこれで終わりでない自覚があることが救いとなっている。
パブリックコメント募集では、「聞きたい主な課題」といったものが(前出囲み記事)示されており、その他の細部については少々敷居が高い感じがする。それで遠慮するわけではないが、敢えてすべてここでコメントしようとしても、紙面の都合もあり、できそうにない。よって本稿では、託された「専門家」以外の立場から、あえて細部にこだわらず大ざっぱに「感想」のようなものを述べさせていただく。
お断りしておくが、これだけ短い時間でつくられた人たちの努力には、なみなみならないものがあることはよくわかるので、まずは敬意を表する。それゆえ私の「感想」も、鬼の首をとったかのような態度での批判といったものではなく、パンデミックに対して関心を持つ在野の飛沫のような人間からのエールとして、ポジティヴにうけとっていただければ幸いである。「感想」は、整理の都合上、以下に箇条書きにすることにした。
1) ガイドラインによっては今回も、「必要である」「重要である」「検討する」で終わる文章が結構目につき、前回の「行動指針」同様、単なる努力目標のようにも受け取れるものがある。そういったところでは、どこまで本気でやってもらいたいのか、意気込みがわかりずらい。「ガイドライン」だから、こまかいところは飛ばした「めやす」でよいというのかもしれないが。
2)いろんな選択肢から、国やその諮問委員会や自治体が、その時々の状況判断によって方針の選択や勧告をおこなう場面が少なくないようだが、そのときの状況判断の定義というか判断基準があいまいである。「専門的知見とか国内外の状況を考慮して」との表現があるが、それぞれの場面について具体的に決めていかないと、そのときになって混乱するもとである。とくに、判断が地方に任されたときには、判断できない事態に陥ったり、判断の時期を逸する危険もある。
その場その場で、恣意的に判断したり、あるいは判断が鈍ることのないよう、判断基準(具体的に判断の材料となるデータは何で、それがどうなったらどう判断し、そのデータの獲得のために何をするか)を今のうちから考え、ある程度の目安となる基準の設定とその公表を行なっておくべきであろう。どのような判断基準で、どのようなデータのときに、どのような勧告や決断を行なうのかを明らかにしておく。これも、今のうちからできるリスク・コミュニケーションのひとつであろう。
3)さらに、もっと基本的なことを言わせてもらえば、ひとくちに新型インフルエンザといってもいろんなインフルエンザの可能性がある。いったいどのようなインフルエンザがやってきたときに、本ガイドラインのようなものすごい対策が実行に移されるのか? どうも、現在のH5N1の鳥インフルエンザだけがみなの頭の中を占めているように思える。それならそれで、当ガイドラインは、6月のそれのようにH5N1のガイドラインと限定すべきではないか。もしそうでないなら、対策対象に該当するインフルエンザがどのようなインフルエンザなのか、漠然としたものではない具体的で明確な判断基準が、作戦にゴーサインを出す上では絶対に必要だと思うのだが、それは提示されていないように思える。筆者の見逃しであろうか?
4)多くの場面で、またもや、都道府県に大きな課題をつきつけている感じがする。本ガイドラインは、「こうしなさいよ」という努力目標を挙げつつ、具体的な部分に関しては、各自治体に任せているところが目につく(国のやれることはそこまでだと言われればそれまでだが)。たとえば、封じ込めに力を入れるとして、やりなさいと言われた先の都道府県からその先の市町村と、結局はどんどん末端まで降りていくことになるのだが、本当はその「実施」のところが、いちばん難しいのである。今後、モデルのようなものの提示が必要であろう。
また、末端の保健所に多くの役割を与えているが、現実的に現在の保健所の持つ人的、物的資源(とくに前者)を考えると、どうも荷が重すぎるような気がしてならない。たぶん、かつてとくらべていろんな仕事を少ない人数でやりくりしている保健所の現状を考えれば、もし今、そのようなことをやれといわれたらパンクしてしまうのではないかと、部外者ながら思わず同情してしまう。そこを、これから手厚く強化していくという厚生労働省の決意表明であるとすれば、大歓迎である。
5)いちばん大事な問題だと思うこと
結局、本ガイドラインも「厚生労働省の」計画案であり、残念ながら「日本政府全体の」計画案ではないように見える。だいぶがんばってはいるものの、パンデミックという社会全体の危機問題が、まだ行政全体に共有されていないことを怖れる。
たとえば、地域の視点でパンデミック対策を考えている筆者からみれば、自治体の健康対策の部局だけが、いっしょうけんめいに動いており、他の部局はほとんど関心がない、もしくは問題意識が浸透していない図が、そのまま国レベルで見られているような気がしてならない。
筆者は行政組織には疎いが、たぶん内閣官房のような日本の行政全体をカバーするところが、ほんとうに国のあり方にかかわる危機だという意識をもって中心になってあたらねば完結しないものだと考える。本ガイドラインで国民的議論が惹起し、もってそれを引き出そうとする厚生労働省の戦略の第一歩ととらえてよいのであれば納得である。
まずは、厚生労働省ががんばってリードするのは当然で、それはそれでよいのだが、そこでとどまることなく、将来的には日本国政府全体がかかわりをもったプランが、ぜひ欲しいと思う。
地域レベルでは、健康対策の部局以外の部局を巻き込んだ対策が不可欠であり、そこは首長のリーダーシップに期待するほかはない。いずれどこかで紹介するつもりだが、筆者の住む仙台市では、市長のなみなみならぬ意欲のもと、危機管理としての位置づけがなされ、対策の要の役は、健康福祉の部門ではなく危機管理部門が担当し、健康福祉部門を筆頭に広く行政各部門が(部門間で若干の温度差はあるものの)それに独自の関わりをもち、市の行政全体を巻き込んだプランが、まずはできている。これの日本国版が欲しいところである。
また、読んでいて、これは、厚生労働省が、ましてやインフルエンザの「専門家」が、決めること…?と、疑問符がつくこともあった。たとえば、限られたワクチンで老人とこどもたちのどちらを守るかの議論などは、まさにそれである。ウイルスがどちらか一方に対してだけ病原性が強いのであればそう難しくもないかもしれないが、あまり変わらなかったら、ちょっとの差ぐらいしかなかったら、どうするのか。その決断にいたる手続きをどうするのか。そこは非常に大切である。
前項5)と共通する話だが、行政官の中には「単なるインフルエンザ。クスリもワクチンもある、それでいいではないか」その程度の認識しかない人も多いと聞く。パンデミックというものが、そう簡単ではない大きな社会の危機であることの、国民の間の共通認識、それ以前に自治体の共通認識、あるいは行政各部署間の共通認識が、ぜひとも必要であろう。それがないと、さまざまな法整備も資金調達も、それぞれの部署が管轄する領域での対策もままならない。
たとえば、学校の休校ひとつとっても、文部科学省とのすりあわせはどうなっているのか。「学校の休校は、これだけやるのが適当である」と言ったとき、それで文部科学省や親は納得するのか。そうしたことも今から関係者を巻き込んだ具体的議論が必要なのである。休校措置に学校生徒の健康という個人的利益の観点のほかに、社会での蔓延阻止への関与という公衆衛生的観点を持たせるのか否か、その議論から始めなくてはならないだろう。
そういった意味で、ガイドラインに書くわけにはいかないかもしれないが、厚生労働省側に、他の省庁を本気にさせて、パンデミック問題に取り組ませるストラテジーを着実に実行していただきたいと願うものである。
本ガイドラインの目玉は、初期の封じ込めのようだが、その努力も大切ではあろうが、パンデミックでは、本ガイドライン自体にも書いてあるとおり、その適用は非常に限られ(やって来るインフルエンザの性質、地理的、社会的条件等がそろったときに限定され)、それをやっていられる時間もそう長くはないはずである。筆者の個人的意見を言わせてもらえば、そのために本気でさまざまな法整備をやり、準備をする労力・資源があるなら、封じ込めの成功以上の確率で起きる可能性がある(と筆者が思う)パンデミックにともなう患者の急激な増加(サージ)への具体的対応、準備に、それ以上に力を入れ、実効性ある対策を実現させていってほしいと思う。しかし、いくら計画を立てても次に紹介するようなことがどうして起きるのかをきちんと解析し根本的解決を図っていかないと、それもおぼつかない。
こうして国としてのパンデミック準備が、整えられようとしている中、そしてその準備が県のレベルにまで降ろされようとしている中、ある、「やっぱり」という報道があった。
1月13日の京都新聞のインターネット記事だが、まずは、センセーショナルな見出しである:「新型インフル患者受け入れ大丈夫? 京都の病院 3分の1が拒否や保留」。
記事本文によれば、京都府と京都市が、新型インフルエンザの発生に備え、府内の120の医療機関に患者受け入れを要請したところ、40もの病院が拒否あるいは態度保留という回答だったという。新型インフルエンザで出ることが予想される莫大な数の患者を、感染症指定病院や公立病院で受け入れきれないと考え、大流行時には特別な病院を除く全医療機関で診療にあたると昨年の行動計画で定め、受け入れ協力を求める要望書を送付、回答を集計した結果だという。理由は、一言でいえば医療側の新型インフルエンザに対する不安といったところのようである。
お断りしておくが、筆者は、そうした拒否や保留をした病院や京都だけを問題にしているつもりは毛頭ない。たぶん、こうした意識は京都に限らないはずであるし、もしかしたら受け入れたとされる公立病院の職員も同じ思いかもしれない。いわば、「笛吹けど踊らず」、役所と現場の乖離である。これは、本稿の主題ではないが大きな問題を孕んでいるといわざるを得ない。
一番は、現段階のリスク・コミュニケーションのまずさの問題。今がこうなら本当にパンデミックが起きたときには一体どうなるのか? 現場の不安にどのように対処するのか? 他のうまい方法を考えるのか? 法令で縛って強制するのか? このようなことは予想できなかったわけではないが、あらためて突きつけられると、やはり問題の深刻さに悩んでしまうのだった。一体何がどう悪いのだろう? こうした記事を見た一般市民は、どう思うのだろう? 一体どうすればいいのか?
今後、ガイドラインはできあがるだろう。そして、それをもとにまた都道府県が自分たちの計画をづくりに着手することになろう。それも当然必要であり、それはそれでいいのだが、関係者には「、今、ここの問題をなんとかクリアしておかないと、それらをせっかくつくっても実際には絵に描いたモチになってしまう」という危機感もぜひ抱いていただき、なんとかしていただきたいものである。とりいそぎ、まずはここまで。
平成19年2月2日
(なお本稿は、メディカルレビュー社 『インフルエンザ』 2007年4月号に掲載されました。)
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