仙台医療センタートップページ > 診療科・各部門のご案内 > 産婦人科
産婦人科の診療分野は大きく分けて、妊娠分娩を扱う産科と女性生殖器の疾患を取り扱う婦人科に分かれています。スタッフの専門領域はさまざまですが、臨床の場においてはスタッフ全員が一致協力して診療にあったっており、産科・婦人科いずれにおいて宮城県内でも有数の症例数を取り扱っています。病床数は母子センター(産科、婦人科合わせ)40床の他、婦人科20床です。
婦人科領域扱う主な疾患は、女性の急性腹症や不正出血の原因となるもので、良性疾患では子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍などの腫瘍性疾患と、感染症(性感染症、骨盤腹膜炎)、子宮脱などがあります。悪性疾患は卵巣癌、子宮体癌、子宮頸癌が3大悪性腫瘍であり、なかでも卵巣癌・子宮体癌が増加しています。これらの疾患に対して手術、化学療法、放射線療法を行っています。悪性腫瘍の患者さんに関しては緩和内科や地域連携室と共同で、治療の初期から患者さんの精神的・肉体的な苦痛に対応する緩和医療を積極的に導入しています。化学療法については、患者さんの仕事が継続して行えるように外来で行っています。不妊症に関しては専門施設へ紹介しています。産科領域では双胎妊娠や母体に糖尿病や精神疾患などの合併症をもつハイリスク妊娠の妊娠・分娩の管理、切迫早産・早産例の管理を行っており、産褥の大出血例を含む多数の搬送例を受け取っています。
令和元年は約1000件の分娩があり、昨今の全国的分娩数減少の中、最近5年間でも年間約1000件の分娩の取り扱いを継続しています。
双胎妊娠の他にも内科的合併症を有するようないわゆる「ハイリスク妊娠」の割合は増加しております。全分娩のうち約30%が帝王切開分娩で、そのうちの約40%は緊急帝王切開でした。1分1秒を争う緊急事態に対処するために手術室スタッフ、麻酔科医、新生児科医とともに定期的にシミュレーション訓練を行っております。他院からの緊急母体搬送は産褥の搬送も含め約70件受け入れました。現在仙台市では勤務医および分娩施設の負担を減らすためにセミオープンシステムにて妊婦健診を行っていますが、毎年70%を越す方々がこのシステムを利用しました。平成28年10月からはMMWIN上のセンダードネットを利用した病院診療所間の妊婦健診情報の共有も行っております。
年間1000件以上の分娩があると、かなりの死産があります。死産後の母親や家族は悲嘆の過程をとり、そのためのケアが必要になります。平成15年4月から悲嘆の過程への援助として『死産の事実を受け止め、悲しい感情を表出ができるように関わる』『退院後に思い出となるようなものを形として残す』などを方針に掲げ、この援助を実践しています。またWHO 、ユニセフより BFH(baby friendly hospital) の認定を受けています。
2017年 | 2018年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
分娩数(妊娠22週以降) | 991 | 1122 | 950 |
死産数(同) | 3 | 3 | 3 |
帝王切開数 | 332 | 371 | 312 |
帝王切開率 | 33.5% | 33.1% | 32.8% |
婦人科の手術症例数は宮城県内最多施設の一つです。良性、悪性疾患ともに多数の症例が集まります。また当院のみで対応可能な精神科、内科合併症を有する方も多数ご紹介いただいております。
当施設は内視鏡技術認定施設であり、良性疾患については積極的に腹腔鏡手術を行う方針としています。悪性疾患については婦人科腫瘍専門医(指導医)および内視鏡技術認定医により、開腹手術のみならず、腹腔鏡下手術、ロボット支援手術を導入し、患者さんのQOL向上を目指しています。
昨今本邦において内視鏡手術後の合併症による患者側との齟齬が頻繁に起こっている状況を鑑み、カンファレンスで術前のアセスメントを厳格に行い手術の要否を決めております。カンファレンスには毎週放射線診断医に同席いただいております。ガイドラインに照らし、症例ごとに外科治療のメリットが患者のADL改善に何よりも寄与することを前提に手術を施行しております。また婦人科専攻医教育にも配慮した術前術後管理および手術指導を心がけてチーム診療を行っています。
依然として開腹術が必要な良性疾患も多数あり、中でも①BMI35以上や体重100kgを超える症例 ②強度な骨盤内癒着を有する症例 ③精神科内科疾患合併症例が増加しています。このような婦人科良性疾患は仙台市内においては優秀な消化器外科・麻酔科を併設する当院でのみ対応可能であり、ますます需要が高まるものと考えております。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
開腹(良性) | 142 | 79 | 89 | 72 |
---|---|---|---|---|
子宮全摘 | 100 | 58 | 57 | 48 |
筋腫核出 | 10 | 7 | 9 | 16 |
卵巣腫瘍 | 31 | 14 | 23 | 8 |
異所性妊娠 | 1 | 0 | 0 | 0 |
開腹(悪性) | 55 | 57 | 67 | 82 |
子宮頸がん | 0 | 5 | 5 | 10 |
子宮体がん | 14 | 16 | 17 | 14 |
卵巣癌(境界悪性含む) | 41 | 36 | 43 | 58 |
外陰がん・腟がん | 0 | 0 | 2 | 0 |
腹腔鏡(良性) | 119 | 167 | 160 | 198 |
子宮全摘(TLH) | 10 | 36 | 38 | 56 |
筋腫核出(LM) | 8 | 12 | 12 | 14 |
卵巣腫瘍 | 87 | 102 | 95 | 109 |
異所性妊娠 | 12 | 11 | 15 | 15 |
その他 | 2 | 6 | 0 | 4 |
腹腔鏡(悪性) | 0 | 0 | 9 | 8 |
子宮頸がん | 0 | 0 | 0 | 2 |
子宮体がん | 0 | 0 | 7 | 4 |
その他(審査腹腔鏡) | 0 | 0 | 2 | 2 |
ロボット | 0 | 7 | 38 | 46 |
子宮良性腫瘍/非浸潤がん | 0 | 0 | 12 | 22 |
子宮頸がん | 0 | 0 | 1 | 5 |
子宮体がん | 0 | 7 | 25 | 19 |
子宮鏡 | 20 | 24 | 25 | 34 |
子宮頚部円錐 切除術 | 71 | 56 | 74 | 106 |
その他(骨盤臓器脱など) | 37 | 34 | 26 | 16 |
計 | 444 | 424 | 488 | 562 |
地域の先生方から信頼されるよう、産科、婦人科の緊急手術が必要な急性疾患から慢性の疾患まで広くカバーできるように心がけていますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。なお、現在のところ、妊娠10週以前にご連絡いただいた妊婦に関しては特段の理由がない限り分娩は全て引き受けておりますが、10週以降に連絡いただいた方については、予約状況によりお断りする場合がございます。また、里帰り分娩はお引き受けしておりませんので、ご了承ください。
卒業年 | 昭和63年 |
---|---|
専門分野 | 婦人科腫瘍 |
専門医資格等 | 日本産科婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(婦人科腫瘍専門医)、日本臨床細胞学会(臨床細胞専門医)、母体保護法指定医、日本ロボット外科学会専門医、日本癌治療認定機構(がん治療認定医) |
名前 | 卒業年 | 職名 | 専門分野 | 専門医資格等 |
---|---|---|---|---|
武山 陽一 | 昭和63年 | 産婦人科医長 | 周産期医学 臨床遺伝 出生前診断 |
日本産科婦人科学会(専門医)、臨床遺伝専門医、母体保護法指定医、日本周産期・新生児医学会(暫定指導医) |
石垣 展子 | 平成9年 | 産婦人科医師 | 周産期医療 | 日本産科婦人科学会(専門医)、母体保護法指定医 |
田邉 康次郎 | 平成13年 | 産婦人科医師 | 婦人科内視鏡 | 日本産科婦人科学会(専門医)、日本産科婦人科内視鏡学会(技術認定医)、母体保護法指定医、日本癌治療認定機構(がん治療認定医) |
松浦 類 | 平成10年 | 産婦人科医師 | 生殖内分泌 | 日本産科婦人科学会(専門医)、母体保護法指定医 |
柏舘 直子 | 平成10年 | 産婦人科医師 | 産婦人科腫瘍 | 日本産科婦人科学会(専門医)、母体保護法指定医 |
重田 昌吾 | 平成18年 | 産婦人科医師 | 産婦人科、 産婦人科腫瘍 |
日本産科婦人科学会(専門医)、日本癌治療認定機構(がん治療認定医) |
萩原 達也 | 平成27年 | 産婦人科専修医 | 産婦人科 | |
後藤 恵 | 平成28年 | 産婦人科専攻医 | 産婦人科 | |
村川 東 | 平成29年 | 産婦人科専攻医 | 産婦人科 | |
村川 真理弥 | 平成29年 | 産婦人科専攻医 | 産婦人科 | |
遠藤 祐介 | 平成30年 | 産婦人科専攻医 | 産婦人科 | |
明城 光三 | 昭和55年 | 非常勤医師 | 周産期医療、 超音波診断学、 医療情報学、 医療安全 |
日本産科婦人科学会(専門医)、日本超音波医学会(専門医・指導医)、母体保護法指定医 |
〒983-8520 宮城県仙台市宮城野区宮城野二丁目11番12号
TEL:022-293-1111(代表)FAX:022-291-8114
Copyright © 2013 Sendai Medical Center All Rights reserved.