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皮膚科

特色

皮膚は体表を覆う臓器で、面積が広く、また直接目に触れることから、皮膚の疾患は多岐に渡ります。一方で実際の皮膚科の診療においては外来での診療が中心で、多くの患者さんはcommon skin diseasesでの受診が多いため、診療形態もそれらの疾患に合わせています。そのため診療所の多くの皮膚科では入院が必要な重症患者さんや手術を必要とする患者さん、一般的な治療を行っても悪化傾向がみられる患者さんが受診された場合、対応が難しいケースがあることと思います。当科では病診連携の面からも、急性期病院の特性を生かしてこれらの症例を受け入れることに重点を置き、採血、画像検査や皮膚生検などを中心とした精査や、必要に応じて免疫抑制剤や生物学的製剤等を使用した治療のほか、手術も含めた入院治療を積極的に行っています。

対象疾患

基本的に皮膚及び付属器(毛、汗腺、脂腺、爪)に生じた疾患は全て対象となりますが、その中でも特に精査加療を必要とする皮膚疾患や緊急性の高い疾患、入院治療が必要な疾患なども対象疾患で、比較的多い疾患としては細菌性感染症では蜂窩織炎や丹毒など、ウイルス性感染症では帯状疱疹やカポジ水痘様発疹症、伝染性単核球症など、炎症性疾患では重症化したアトピー性皮膚炎および乾癬、中毒疹(薬疹など含む)、多形紅斑や自己免疫性水疱症など、外傷性疾患では熱傷および難治性の皮膚潰瘍、良性腫瘍では粉瘤(表皮嚢腫)や脂肪腫など、悪性腫瘍では基底細胞癌や有棘細胞癌などがあります。また年間の症例数はそれほど多くないのですが、スティーブンス・ジョンソン症候群、薬剤誘発性過敏性症候群、結節性紅斑、脱毛症、血管炎/リベド血管症、壊疽性膿皮症、乳房外パジェット病などの疾患の治療にも対応しております。

診療実績

令和5年度の入院患者数は62名、手術件数は104件(全身麻酔15件、局所麻酔89件)、生検は186件であった。入院患者数の性別、年齢分布とその年次推移並びに手術件数の年次推移を表1および図1〜3に示した。入院患者数はここ数年減少傾向で、特に昨年度は一時期1人医長の時があり、入院患者を制限していたことが影響していたと考える。年齢層はかつては70歳代と80歳代にピークがあったのに対し、ここ2年ほどは50歳代から80歳代とピークが幅広い範囲の年齢層に移行しており、社会の高齢化と悪性腫瘍などの若年発症例の増加などを併せて反映している可能性が示唆された。

入院症例の疾患分類を表2に、その年次推移を図4〜6に示し、疾患の詳細について表3に示した。疾患分類別では感染症、炎症性疾患、創傷は概ね横ばいであったが、腫瘍性疾患が良性・悪性ともに顕著に減少していた。一方、表には示していないが創傷の中でも熱傷の入院が増加していた(1→5件)。腫瘍性疾患については手術件数自体は昨年度よりも増加しており、入院を必要としないday surgery(DS)が顕著に増加していた(入院:DS=【R4年度】63件:20件、【R5年度】35件:69件)。

表1.入院症例の性別と年齢分布

年齢 女性 男性
0〜9 0 0 0
10〜19 1 0 1
20〜29 0 1 1
30〜39 1 0 1
40〜49 2 1 3
50〜59 5 5 10
60〜69 4 8 12
70〜79 5 8 13
80〜89 7 8 15
90〜99 1 5 6
100〜109 0 0 0
26 36 62

図1. 入院患者数の年次推移

図2. 過去3年間の入院患者の年齢分布

図3. 手術件数の年次推移

表2.入院症例の疾患分類

    小計
感染症 細菌性 3 9
ウイルス性 6
その他 0
炎症性   9 9
創傷   9 9
腫瘍 良性 15 35
悪性 20
その他   0 0
    62

図4. 疾患分類の年次推移

図5. 疾患分類:感染性皮膚疾患の年次推移

図6. 疾患分類:腫瘍性皮膚疾患の年次推移

表3.入院症例の疾患内容

疾患分類 病名(症例数)
細菌性感染症 蜂窩織炎 (3)
ウイルス性感染症 帯状疱疹 (6)
その他感染症 なし
炎症性皮膚疾患 薬疹(3), 水疱性類天疱瘡(5), 落葉状天疱瘡(1)
創傷 皮膚潰瘍(3), 熱傷(5), 褥瘡(1)
皮膚良性腫瘍 脂肪腫(7), 粉瘤(3), 血管腫(2) , グロムス腫瘍(1), ケラトアカントーマ(1), 毛細血管拡張性肉芽腫(1)
皮膚悪性腫瘍 基底細胞癌(8), 有棘細胞癌(7), ボーエン病(2), 乳房外パジェット病(2), 血管肉腫(1)

地域の先生方へ

当科は昨年度から受け入れ態勢を徐々に拡大していき、現在、皮膚及び付属器(毛、汗腺、脂腺、爪)に生じた疾患は基本的に全て対象として受け入れております。常勤医師二名と限られた人数で診療を行っておりますが、急性期型の病院としての当院の特徴と皮膚科領域のオールラウンドを可能な範囲でカバーすることを目指しつつ、その中でも特に検査、手術、入院の分野で先生方に貢献できるのではないかと考えております。また重症のアトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性疾患や円形脱毛症などの毛髪疾患等につきましても生物学的製剤やJAK阻害薬などの新規薬剤を中心に治療導入を積極的に行う体制が整っております。一方、幸いにも仙台市内には多くの皮膚科の開業の先生がいらっしゃることもあり、特殊な治療を必要としない外来通院での治療は諸先生方にお願いすることができます。

生検・病理組織検査や臨床検査、画像検査で診断をつけ、必要があれば入院、手術、特殊な治療の導入等を行い、外来通院可能な状態であれば通院しやすい施設にご紹介して治療を継続して頂くことを考えておりますので、是非患者さんのご紹介をよろしくお願い申し上げます。

(なお昨年度後半から当院では紹介状持参のみで受診が可能な体制となっておりますが、当日の混雑状況で必ずしも即日対応できない場合がございます。待機的に受診が可能な患者様におかれましては、これまで通り地域医療連携室を通しての予約取得を1st choiceにお願いできましたら幸いです。緊急性のある場合はお手数ですが直接当方までご連絡頂けましたら可能な範囲ですぐに対応させて頂きます)。

概要

平成25年1月から、

  • 新患受診の際は紹介状をお持ちください。
  • 毎週水曜日は休診です。

皮膚科では入院や手術を必要とする患者さんの診察をさせていただいております。

医師紹介

名前 卒業年 職名 専門分野 専門医資格等
古舘 禎騎 平成20年 皮膚科医長 皮膚腫瘍、皮膚外科 熱傷、外傷 日本皮膚科学会認定専門医
皮膚悪性腫瘍指導専門医
がん治療認定医機構認定医
日本臨床皮膚外科学会専門医
臨床研修指導医
東北大学 非常勤講師
武田 佳奈 平成26年 皮膚科医師 皮膚科一般 日本皮膚科学会認定専門医
中川 悠 平成30年 皮膚科医師 皮膚科一般  
飯澤 理 昭和60年 皮膚科非常勤医師 重症炎症性皮膚疾患、腫瘍性皮膚疾患 日本皮膚科学会認定専門医、 JSPEN認定医、臨床研修指導医

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TEL:022-293-1111(代表)

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