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皮膚科

特色

皮膚は体表を覆う臓器で、面積が広く、また直接目に触れることから、皮膚の疾患は多岐に渡ります。一方で実際の皮膚科の診療においては外来での診療が中心で、多くの患者さんはcommon skin diseasesでの受診が多いため、診療形態もそれらの疾患に合わせています。そのため診療所や市中病院の多くの皮膚科では入院が必要な重症患者さんや、手術を必要とする患者さんが受診されると、その対応に苦慮してしまいます。そこで当科では、病診連携の見地からも、急性期病院の特性を生かしてこれらの症例を受け入れることに重点を置き、入院治療や手術並びに皮膚生検を積極的に行っています。

対象疾患

入院や手術、および皮膚生検を必要とする皮膚疾患が対象疾患で、比較的多い疾患としては細菌性感染症では蜂窩織炎や丹毒および糖尿病性皮膚壊疽など、ウイルス性感染症では帯状疱疹やカポジ水痘様発疹症など、炎症性疾患では中毒疹や水疱性類天疱瘡など、外傷性疾患では熱傷や皮膚潰瘍など、良性腫瘍では石灰化上皮腫や色素性母斑など、悪性腫瘍では有棘細胞癌や基底細胞癌などがあります。また年間の症例数はそれほど多くないのですが、毎年スティーブンス・ジョンション症候群、薬剤誘発性過敏性症候群、重症化したアトピー性皮膚炎、紅皮症に陥った乾癬、結節性紅斑、スウィート病、多形紅斑、リンパ腫様丘疹症、リベド血管炎、壊疽性膿皮症などの炎症性疾患の入院があります。

診療実績

令和3年度の入院患者数は108名、手術件数は108件(全身麻酔25件、局所麻酔83件)生検は220件であった。入院患者数の性別、年齢分布とその年次推移並びに手術件数の年次推移を表1および図1〜3に示した。入院患者数はやや減少傾向で、女性の入院が減少し、男性の入院が増加傾向にあり、年齢層は今まで60歳代と70歳代にピークがあったのが70歳代と80歳代にピークが移行し、社会の高齢化を反映している可能性が示唆された。

入院症例の疾患分類を表2に、その年次推移を図4〜5に示し、疾患の詳細について表3に示した。疾患分類別では感染症と炎症性疾患が減少し、逆に腫瘍性疾患が増加し、中でも悪性腫瘍の症例数が増加しており、感染症の減少はコロナの感染対策により症例数が減少した可能性が、炎症性疾患の減少はコロナ禍により患者さんが医療機関への受診を抑制する傾向にあった可能性が、またコロナ禍においても悪性腫瘍に対しては医療機関を受診する傾向がある可能性が考えられた。

表1.入院症例の性別と年齢分布

年齢 女性 男性
0〜9 1 2 3
10〜19 2 2 4
20〜29 1 2 3
30〜39 1 3 4
40〜49 4 6 10
50〜59 2 12 14
60〜69 6 8 14
70〜79 7 16 23
80〜89 10 17 27
90〜99 3 3 6
100〜109 0 0 0
37 71 108

図1. 入院患者数の年次推移

図2. 過去3年間の入院患者の年齢分布

図3. 手術件数の年次推移

表2.入院症例の疾患分類

    小計
感染症 細菌性 6 16
ウイルス性 8
その他 2
炎症性   8 8
創傷   5 5
腫瘍 良性 32 75
悪性 43
その他   4 4
    108

図4. 疾患分類の年次推移

図5. 疾患分類:感染性皮膚疾患の年次推移

図6. 疾患分類:腫瘍性皮膚疾患の年次推移

表3.入院症例の疾患内容

疾患分類 病名(症例数)
細菌性感染症 蜂窩織炎 (6)
ウイルス性感染症 帯状疱疹 (7),ウイルス感染症 (1)
その他感染症 非結核性抗酸菌症(2)
炎症性皮膚疾患 薬疹(2), 水疱性類天疱瘡(2), アトピー性皮膚炎(1), アナフィラクトイド紫斑病(1), 尋常性天疱瘡(1), 薬剤性過敏症症候群(1)
創傷 熱傷(3), 離開創(1), 糖尿病性足壊疽(1)
皮膚良性腫瘍 粉瘤(7), 母斑細胞母斑(6), 外毛根鞘のう腫(3), エックリン汗孔腫(2), 血管腫(2), 脂漏性角化症(2), 脂肪腫(1), 軟性線維腫(1), 血管平滑筋腫(1), 脂腺母斑(1), 石灰化上皮腫(1), 皮膚線維腫(1)
皮膚悪性腫瘍 基底細胞癌(18), 有棘細胞癌(10), ボーエン病(5), 悪性黒色腫(2), 悪性リンパ腫(2) 悪性増殖性外毛根鞘性のう腫(2), 光線角化症(2), 転移性皮膚腫瘍(2)

地域の先生方へ

当科は医師二名と限られた人数で診療を行っております。急性期型の病院としての当院の特徴と、マン・パワーが限られている当科の特性の両方を合わせて、どのようにしたら地域の先生方に貢献できるか考えてみると、皮膚科領域のオールラウンドをカバーするのは不可能ですが、当院の持っている入院、手術、検査の分野で先生方に貢献出来るのではないかと思っております。幸い仙台市内には多くの皮膚科の開業の先生がいらっしゃり、外来通院での治療はこれらの先生にお願いすることができます。

生検・病理組織検査や臨床検査、画像検査で診断をつけ、必要があれば入院して戴いたり、手術を受けて戴いたりして、外来通院可能な状態であれば通院しやすい施設にご紹介して治療を継続して戴くことを考えておりますので、是非患者さんのご紹介をよろしくお願い申し上げます。

概要

平成25年1月から、

  • 新患受診の際は紹介状をお持ちください。
  • 毎週水曜日は休診です。

皮膚科では入院や手術を必要とする患者さんの診察をさせていただいております。

医師紹介

名前 卒業年 職名 専門分野 専門医資格等
古舘 禎騎   皮膚科医長    
武田 佳奈 平成26年 皮膚科医師 皮膚科一般 日本皮膚科学会認定専門医
飯澤 理 昭和60年 皮膚科非常勤医師 重症炎症性皮膚疾患、腫瘍性皮膚疾患 日本皮膚科学会認定専門医、JSPEN認定医、臨床研修指導医

臨床研究「皮膚疾患画像ナショナルデータベースの構築とAI活用診療支援システムの開発」への協力について

仙台医療センター皮膚科では、筑波大学附属病院皮膚科による臨床研究「皮膚疾患画像ナショナルデータベースの構築とAI活用診療支援システムの開発」に協力しております。本研究に関する問い合わせ、または研究への参加を希望しない場合は、担当者までご連絡をお願いいたします。

本研究の概要は以下のとおりです。

①研究対象

2000年1月1日から2020年12月31日までに当院で皮膚疾患の診断や治療を受けた患者さんです。

②研究の意義・目的・方法

レントゲン写真やCT画像を人工知能(AI)により自動診断するシステムの開発が進んでおり、近い将来AIによる自動読影が可能となると考えられています。一方、皮膚科領域はテレダーマトロジーとも呼ばれる遠隔診断システムが民間業者によりすでに実用化していますが、これはAIではなく皮膚科医が写真や臨床情報を基に遠隔診断しているため、多くの症例を短時間に処理することはできません。

AIの開発には多量の皮膚病の写真が必要であることから、今回日本皮膚科学会が主導し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による研究費を財源とした皮膚病を集めた国家的なデータベースを作成する研究を開始しました。筑波大学はその中核施設となっており研究をおこないます。データベースは臨床写真、ダーモスコープ写真、病理組織写真、そしてそれらの症例に紐付けされた臨床情報が集積されます。 研究の中核となるナショナルデータベース構築のため、筑波大学附属病院皮膚科は当科で保管している皮膚疾患の写真をそのデータベースに提供することにしました。データベースには写真とその診断名、年齢、性別、診断根拠となった臨床情報、治療内容、そして転帰などの情報が紐付けされたデジタルデータとして保管されます。なお、提供前に個人を判別できる可能性のある写真(個人が特定可能な顔面全体の写真、特徴的な刺青や詳細な指紋など)を除外しますので、個人が特定できるような写真及び臨床情報は一切提供しません。

データベースが完成したらその次の段階として、そのデータベースを使用して皮膚病の写真を使った診断補助システムの開発を行います。 なお、データベースとして蓄積されている情報は既に個人情報が削除された状態となっておりますので、利用に際してあなたの個人情報が流出する恐れはありません。

③研究機関名・研究者名

研究組織は以下の様になっております。
研究代表施設:筑波大学皮膚科・藤澤 康弘

研究参加施設一覧
  1. 大阪大学 皮膚科 教授 藤本 学
  2. 浜松医科大学細胞分子解剖学講座 特任教授 戸倉 新樹
  3. 東北大学 皮膚科 准教授 山ア 研志
  4. 東京大学 皮膚科 教授 佐藤 伸一
  5. 慶応義塾大学 皮膚科 教授 天谷 雅行
  6. 東京女子医科大学 東医療センター 教授 田中 勝
  7. 日本医科大学武蔵小杉病院 教授 安齋 眞一
  8. 新潟大学 皮膚科 教授 阿部 理一郎
  9. 山梨大学 皮膚科 教授 川村 龍吉
  10. 信州大学 皮膚科 教授 奥山 隆平
  11. 京都大学 皮膚科 教授 椛島 健治
  12. 高知大学 皮膚科 教授 佐野 栄紀
  13. 九州大学 皮膚科 講師 伊藤 孝通
  14. 熊本大学 皮膚科 准教授 福島 聡
  15. 琉球大学 皮膚科 教授 高橋 健造
  16. 慶応義塾大学 医療政策・管理学 宮田 裕章
  17. 東北大学 東北メディカルメガバンク機構 教授 長ア 正朗
  18. 理化学研究所 革新知能統合研究センター病理情報学ユニット リーダー
  19. 理化学研究所 革新知能統合研究センター遺伝統計学チーム リーダー
  20. 国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 教授 合田 憲人
  21. 国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授 佐藤 真一
  22. 東京大学 附属病院 教授 大江 和彦
  23. 東京農工大学 工学研究院 教授 清水 昭伸
  24. 産業医科大学 皮膚科 教授 中村 元信 093-691-7445
  25. 大阪市立大学 皮膚科 教授 鶴田 大輔 06-6645-3826
  26. 鹿児島医療センター 皮膚腫瘍科・皮膚科 部長 松下 茂人 099-223-1151
  27. 大阪みなと中央病院 皮膚科 部長 三浦 宏之 06-6572-5721
  28. 三重大学 皮膚科 助教 後藤 啓元 059-232-1111
  29. 静岡済生会総合病院 皮膚科 部長 松本 賢太郎 054-285-6171
  30. 金沢大学 皮膚科 教授 松下 貴史 076-265-2343
  31. 沼津市立病院 皮膚科 部長 秦 まき 055-924-5100
  32. 平塚市民病院 皮膚科 科長 栗原 佑一 0463-32-0015
  33. 藤田医科大学 皮膚科 准教授 有馬 豪 0562-93-9256
  34. 横浜市立みなと赤十字病院 皮膚科 部長 渡邊 憲 045-628-6100
  35. 奈良県立医科大学 皮膚科 准教授 新熊 悟 0744-29-8891
  36. 島根大学 皮膚科 助教 越智 康之 0853-23-2111
  37. 日本医科大学多摩永山病院 皮膚科 准教授 長田 真一 042-371-2111
  38. 近畿大学奈良病院 皮膚科 教授 山田 秀和 0743-77-0880
  39. 名古屋市立大学 皮膚科 医員 鳥居 寛 052-851-5511
  40. 国立病院機構仙台医療センター 皮膚科 部長 飯澤 理 022-293-1111
  41. 県立広島病院 皮膚科 部長 田中 麻衣子 082-254-1818
  42. 順天堂大学医学部附属練馬病院 皮膚科 准教授 深井 達夫 03-5923-3111
  43. JCHO金沢病院 皮膚科 医長 小村 一浩 076-252-2200
  44. 岡山市立市民病院 皮膚科 部長 岡ア 布佐子 086-737-3000
  45. 群馬大学 皮膚科 助教 渋沢 弥生 027-220-8284
  46. 虎の門病院 皮膚科 部長 林 伸和 03-3588-1111
  47. 福井大学 皮膚科 医員 笠松 宏至 0776-61-3111
  48. 大阪病院 皮膚科 部長 竹原 友貴 06-6441-5451
  49. 滋賀医科大学 皮膚科 講師 加藤 威 077-548-2233
  50. 国際医療研究センター病院 皮膚科 科長 玉木 毅 03-3202-7181
  51. 南和歌山医療センター 皮膚科 医長 南 宏典 0739-26-7050
  52. 宝塚市立病院 皮膚科 部長 山本 哲久 0797-87-1161
  53. 東京女子医科大学病院 皮膚科 助教 宮田 龍臣 03-3353-8111
  54. 広島大学 皮膚科 助教 松尾 佳美 082-257-5555
  55. 京都府公立大学法人京都府立医科大学 皮膚科 助教 小森 敏史 075-251-5586
  56. 東邦大学大森病院 皮膚科 准教授 石井 健 03-3762-4151

④保有する個人情報に関する利用目的

上記②で説明したとおり、皮膚病の写真データベースを構築することが第一の目的で、その次にAI診断システムの開発を行いますが、個人が特定できるような写真及び臨床情報は一切使用しません。AI診断システムの開発は③の研究施設の一部で行われ、その際に集積した情報の一部が研究施設に提供されます。

⑤保有する個人情報の開示手続

ご本人の写真が使用されているかどうかについてお知りになりたい場合は下記の連絡先にご連絡ください。なお、既に写真が加工されて機械学習に使用されるなどした後は特定の写真を削除することが出来なくなりますのでご留意ください。

⑥保有する個人情報の問い合わせ・苦情等の連絡先

筑波大学附属病院 〒305-8576 茨城県つくば市天久保 2-1-1
所属・担当者名:皮膚科 藤澤 康弘
電話・FAX:029-853-3128 (平日10:00-17:00)

⑦仙台医療センターの保有する個人情報の問い合わせ・苦情等の連絡先

仙台医療センター 〒983-8520 宮城県仙台市宮城野区宮城野2丁目11番12号
所属・担当者名:皮膚科 飯澤 理
電話・FAX:022-293-1111 (平日10:00-16:45)

外来受付時間

初めての方

8:00〜10:30

2回目以降予約の方

8:00〜

2回目以降予約以外の方

8:00〜11:00

お電話でのお問合せ

TEL:022-293-1111(代表)

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