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呼吸器外科

特色

当科では、「患者中心の医療」、「安全な医療」、「EBMに基づいた医療」の実践を理念に掲げ、日々診療に従事しております。扱う疾患は心臓と食道、胸椎を除いた“鎖骨下〜横隔膜までの胸腔・胸郭に発生した全ての疾患”であり、極めて多彩な内容となります。その中で最多は肺癌で約6割を占めます。肺癌は最も死亡率が高い癌であり、今後も確実に増加し続けます。当科ではその難治癌と言える肺癌に対して、“発見から緩和”まで一貫した診療にあたっております。つまり外科治療のみならず(外科の枠を超えて)、早期発見(住民検診のレントゲン読影)、診断(気管支鏡検査)、術後補助療法(抗癌剤・放射線治療)、再発治療、さらには緩和医療に至るまで、全ステージにおいて深く関わっております。なお当科は日本呼吸器外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器内視鏡学会の施設認定となっており東北地方の基幹的な役割を担っております。

対象疾患

肺疾患

肺癌、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、炎症性疾患(結核や真菌症)、自然気胸など。

胸膜疾患

悪性中皮腫など

縦隔疾患

縦隔腫瘍、縦隔炎など

胸壁疾患

肋骨・胸骨疾患(腫瘍や骨折)、軟部腫瘍など。

横隔膜疾患

腫瘍、ヘルニアなど。

気管・気管支疾患

気管・気管支腫瘍、気道狭窄、気道異物、気管・気管支瘻など。

胸部外傷

気胸、血胸、肺挫傷、横隔膜損傷、気管・気管支損傷など。

膿胸

急性、慢性、有瘻性膿胸など。

その他

乳び胸など。

診療実績

2022年度の実績は以下のとおりでした。

入院

入院患者数は延べ402人でした。その7割は肺癌(疑いを含む)患者です。

手術

162例の全身麻酔手術がありました。

  1. 原発性肺癌:93例の原発肺癌切除例があり、進行例や癒着例を除き、ほぼ全例に対して完全胸腔鏡下手術を実施しています。また本年度からロボット支援下手術も開始し18例に対して行いました。
  2. 転移性肺癌:転移性肺癌17例の手術を行いました。大腸癌6、腎癌2、甲状腺癌2、乳癌3、舌癌1、子宮癌2、キャッスルマン病1例でした。
  3. 縦隔腫瘍:縦隔腫瘍12例の手術を行いました。胸腺癌1、胸腺腫7(内3例は重症筋無力症合併)、神経節細胞腫1、重症筋無力症(胸腺腫非合併)1、肉芽腫1、転移リンパ節1例でした。
  4. 胸壁腫瘍:胸壁腫瘍1例の手術を行いました。脂肪腫1例でした。
  5. 自然・嚢胞気胸:自然気胸23例の手術を行いました。全例に胸腔鏡下手術を行い、退院は術後平均4日となっています。
  6. その他の疾患:16例の手術を行いました。炎症性腫瘍(アスペルギルス、肉芽腫)5、膿胸4(胸腔鏡仮下掻爬洗浄術)、悪性リンパ腫2、過誤腫1、腺腫1、無気肺1、胸腔内結石1、術後肺瘻1例などでした。

気管支鏡検査・治療

気管支鏡は28件。ほとんどは末梢病巣の擦過細胞診や超音波内視鏡を用いた生検などによる術前診断目的です。

原発性肺癌の手術成績

①肺癌手術患者の5年生存率:2017/1月から2021/3月までの期間に手術を行い、術病理病期が確定している330症例を対象としました(ただし3例が予後追跡不能にて除外しました。予後不明割合は0.9%)。予後調査日は2023/4/30で肺癌死以外の他病死を含めた全病死で計算しました。術後病理病期別の5年生存率は以下の通りでした(病期分類はUICC-8版を使用)。IA1期(n=70)93.9%、IA2期(n=88)97.7%、IA3期(n=38)82.2%、IB期(n=54)76.5%、IIA期(n=5)100%、IIB期(n=32)88.2%、IIIA期(n=17)75.8%、IIIB期(n=4)100%、IVA期(n=9)53.3%、IVB期(n=2)50.0%。進行肺癌であっても新規抗癌剤(EGFR-TKIや免疫チェックポイント阻害薬)の使用により生存期間が伸びていることがわかります。ただし病期分類UICC-8版に変更後の症例数がまだ少ないことから正確な予後評価は時期尚早です。

②手術関連死:2022年度には手術関連死亡を1例(間質性肺炎急性増悪)認めました。当科開設1996年以来の手術関連死亡の内容は手術死2例(肺塞栓症1、間質性肺炎急性増悪1)、在院死7例(間質性肺炎急性増悪5、気管支断端瘻・肺動脈出血1、膿胸MRSA敗血症1)で、手術関連死の比率は0.26%(全身麻酔症例3424)でした。この成績は呼吸器外科学会発表の「肺癌外科切除例の全国集計に関する報告」での「術死0.9%、院内死1.1%」という成績に比べ良好な成績です。

地域の先生方へ

外科は内科の先生方や開業医の先生方のご協力とご支援が無くては成り立たない診療科です。先生方の信頼を得て、そしてより一層強いものにできるよう、日々精進して参ります。当科のアピールポイントを以下に。

①軽いフットワーク:外来日、受け付け時間に関係なく、いつでもご紹介ください。迅速に対応いたします。

②相談のみでも構いません:胸部異常陰影の相談や診断、治療方針など何でも気楽にご相談ください(電話相談、画像郵送での相談等、形式は問いません)。

③低侵襲手術:ほぼ全例に対して胸腔鏡手術を行っております。アプローチは単孔式(4センチ弱の傷が1個のみ)、ロボット支援下手術(県内では東北大学、がんセンターと当院でのみ実施)となります。術後4〜5日で退院可能となります。

④充実した気管支鏡体制:超音波気管支鏡を備えており診断率の向上を得ております。またステント留置、気管支塞栓術(EWS)、異物除去などのインターベンションも得意としております。

医師紹介

呼吸器外科医長
羽隅 透

卒業年 平成2年
専門分野 呼吸器外科的疾患全般
専門医資格等 呼吸器外科専門医・評議員、日本胸部外科学会指導医、外科専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医、肺癌学会評議員、肺がんCT検診認定医、がん治療認定医機構認定医、東北大学医学部臨床准教授、臨床研修指導医
名前 卒業年 職名 専門分野 専門医資格等
星 史彦 平成14年 呼吸器外科医長 呼吸器外科的疾患全般 外科専門医、呼吸器外科専門医、日本胸部外科学会専門医、気管支鏡専門医・指導医・評議員、肺癌学会評議員、肺がんCT検診認定医、胸腔鏡安全技術認定制度認定医、がん治療認定医機構認定医、臨床研修指導医
川村 昌輝 平成18年 呼吸器外科医師 胸腔鏡下手術 外科専門医・指導医、呼吸器外科専門医・評議員、気管支鏡専門医・指導医、肺がんCT検診認定医、臨床研修指導医
中村 みのり 平成31年 呼吸器外科専修医    

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