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当科では、「患者中心の医療」、「安全な医療」、「EBMに基づいた医療」を心がけ、日々診療に従事しております。扱う疾患は心臓と食道、胸椎を除いた胸腔・胸郭に発生した全ての疾患で極めて多彩です。その中で肺癌が最多で約6割を占めます。肺癌は最も死亡率が高い癌であり、今後も確実に増加し続けます。当科ではその難治癌と言える肺癌に対して、“発見から緩和”まで一貫した診療にあたっております。つまり外科治療のみならず、早期発見(住民検診のレントゲンやCT読影)、診断(気管支鏡検査)、術後補助療法・再発治療(抗癌剤・放射線治療)、さらには緩和医療に至るまで、全ステージにおいて関わりを持ちます。なお当科は日本呼吸器外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器内視鏡学会の施設認定となっており東北地方の基幹的な役割を担っております。
肺癌、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、炎症性疾患(アスペルギルスや抗酸菌症)、自然気胸など。
肋骨骨折、胸骨骨折、胸膜中皮腫など
縦隔腫瘍、縦隔炎など
腫瘍、ヘルニアなど。
気管・気管支腫瘍、気道狭窄、気道異物など。
気胸、血胸、肺挫傷、横隔膜損傷、気管・気管支損傷など。
急性、慢性膿胸など。
当科は単項式胸腔鏡手術を得意として行っております。
従来、呼吸器外科の手術とは肋骨の間を大きく切開したり、肋骨を切断して行うものでした(開胸手術)。この方法は強い痛みを伴うため、手術後の回復には長い日数を要していました(術後1〜2週目で退院)。また胸部の筋肉の損傷は呼吸障害の原因となる場合がありました。さらに術後長期間に渡って疼痛が残る合併症(開胸術後疼痛症候群)が生じる場合があり、患者さんの生活の質を落とす大きな要因でした。現在われわれが行っている手術は胸腔鏡手術と呼ばれる方法です。胸腔鏡手術では体にポート孔(1-4cm程度の小さな切開)をいくつかおき、そこからカメラと細長い手術器具を挿入してビデオモニターを見ながら行います。傷が小さいため痛みが軽く、入院期間は短縮され(術後3〜4日目で退院)、早期の社会復帰が可能となりました。開胸手術で問題となっていた胸部の筋肉の損傷による呼吸障害も少ないため、従来は手術が難しかった高齢の患者さんや肺機能が低下した患者さんでも手術が行えるようになりました。術後疼痛症候群の発症頻度も低下します。
現在当センターでは基本的にすべての患者さんに対して胸腔鏡手術を行っています。2022年4月から従来の胸腔鏡手術よりもさらに体の負担が少ない単孔式胸腔鏡手術を開始しました。胸腔鏡手術は一般的に3箇所のポート孔をおいて行いますが、単孔式胸腔鏡手術では1箇所のポート孔のみで手術操作を行います。呼吸器外科の手術では切除した病変(臓器)を体外へ摘出するために3-4cm程度の切開が必要になるのですが、単孔式胸腔鏡手術の切開はこの1箇所のみです。これ以上は傷を小さくすることも減らすこともできないため、究極的に体の負担が少ない手術方法と言えます。従来の胸腔鏡手術と比較して術後疼痛症候群の危険性がさらに少なくなり、患者さんから大変喜ばれています(術後2日目で退院する患者さんもいます).2022年6月からはロボット支援胸腔鏡手術を開始しました。この方法は従来のように外科医が手術器具を直接扱う代わりに、手術支援ロボットが手術器具を扱い、外科医は手術支援ロボットを操作します。人間が手術器具を扱う場合と比べて極めて細かな手術操作が可能になるため、肺がんの治療成績の向上や技術的に難しい手術術式での成果が期待されています。
われわれはこれからも患者さんの体への負担が少なく、治療効果の高い手術を提供して参ります。
2023年は163例の全身麻酔手術を行いました。胸腔鏡手術の割合はほぼ100%で、その半数が単項式アプローチでした。
当科のアピールポイントは、①軽いフットワーク:外来日、受け付け時間に関係なく、いつでもご紹介ください。迅速に対応いたします。②相談のみでも構いません:胸部異常陰影の相談や診断、治療方針など何でも気楽にご相談ください(電話相談、画像郵送での相談等、形式は問いません)。③低侵襲手術:原則全例に対して胸腔鏡手術を行っております。ロボット支援下手術は県内では東北大学、がんセンター、当院の3施設でのみ行っております。④充実した気管支鏡体制:ステント留置、気管支塞栓術(EWS)、異物除去などのインターベンションも得意としております。
卒業年 | 平成2年 |
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専門分野 | 呼吸器外科的疾患全般 |
専門医資格等 | 呼吸器外科専門医・評議員、日本胸部外科学会指導医、外科専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医、肺癌学会評議員、肺がんCT検診認定医、がん治療認定医機構認定医、東北大学医学部臨床准教授、臨床研修指導医 |
名前 | 卒業年 | 職名 | 専門分野 | 専門医資格等 |
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星 史彦 | 平成14年 | 呼吸器外科医長 | 呼吸器外科的疾患全般 | 外科専門医、呼吸器外科専門医、日本胸部外科学会専門医、気管支鏡専門医・指導医・評議員、肺癌学会評議員、肺がんCT検診認定医、胸腔鏡安全技術認定制度認定医、がん治療認定医機構認定医、臨床研修指導医 |
川村 昌輝 | 平成18年 | 呼吸器外科医師 | 胸腔鏡下手術 | 外科専門医・指導医、呼吸器外科専門医・評議員、気管支鏡専門医・指導医、肺がんCT検診認定医、臨床研修指導医 |
中村 みのり | 平成31年 | 呼吸器外科専修医 | 呼吸器外科的疾患全般 |
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