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当科は臓器疾患別チーム制により診療を行っております。胃癌・食道癌は上部消化管チームが、直腸癌は下部消化管チームが、肝臓癌、胆道癌、膵癌は肝胆膵チームがそれぞれ担当し、症例数の多い結腸癌や胆嚢結石症、急性虫垂炎、鼠径ヘルニアなどの患者さんは3チームが分担して受け持ちます。臨時手術についても3チームで融通し合い担当を決めております。
今年度の当科は、外科専門医を目指す専攻医1名を含めて10名のスタッフで診療を行っています。専攻医以外は全員「外科専門医」の資格を有し、うち6名は「消化器外科専門医」を取得しております。そのため、各疾患に対して最新の高度な治療を提供することができます。また、日本肝胆膵外科学会高度技能認定施設、日本食道外科学会認定施設等も取得しており、各々の専門医が手術を担当しています。
当科の特徴として特筆すべきは、他科との共同手術が可能であるということです。例えば、進行直腸癌で子宮附属器や膀胱等への浸潤を有する症例に対しては、婦人科や泌尿器科の協力の下でそれらの臓器を合併切除することにより根治切除を得ることができます(逆に婦人科や泌尿器科の手術で腸管合併切除が必要な場合は我々外科の出番になります)。
また、患者さんの年齢層が高齢化している昨今ですが、当院ではリハビリテーション科が充実しており、術前から積極的にリハビリ介入することにより、高齢者へも侵襲の大きい手術を行っております。
当科では、胃癌や大腸癌など消化管の悪性疾患、および肝胆膵の悪性腫瘍を主に手術の対象としておりますが、炎症性腸疾患や慢性膵炎などの稀な疾患に対しても適切な外科手術を実施しております。
現在、胆嚢摘出術や虫垂切除術、ヘルニア根治術等はほとんどが腹腔鏡手術で行っておりますが、近年では胃切除術や結腸切除術、直腸前方切除術も多くを腹腔鏡手術で実施しており、更に肝胆膵の分野でも腹腔鏡手術の導入を積極的に行っております。
緊急手術は年間100件を超え、胆石胆嚢炎や虫垂炎、急性汎発性腹膜炎など多くの臨時手術を施行しております。更に当院は三次救急を受け入れており、交通事故などに伴う緊急の外傷手術も臨機応変に実施しております。
当科の症例は重度の併存症を有する重症例であることが多いという特徴がありますが、麻酔科と集中治療室の協力を得て、患者さんに適切な医療を施すべく果敢に手術に挑んでいます。
2019年4月1日〜2020年3月31日の当科における手術症例の集計を別表に提示します。上・下部消化管疾患から肝胆膵疾患まで幅広い疾患に対応し、適切な手術を施行しております。
分野 | 疾患 | 症例数 | 備考 |
---|---|---|---|
上部消化管 | 食道癌 | 6 | |
胃癌 | 47 | ||
胃GIST、等 | 4 | ||
十二指腸癌 | 0 | ||
胃・十二指腸潰瘍穿孔 | 5 | ||
虫垂炎 | 59 | ||
下部消化管 | 盲腸癌、上行・横行結腸癌 | 62 | |
下行・S状結腸癌 | 42 | ||
直腸癌 | 48 | ||
憩室炎、直腸脱、等 | 9 | ||
肝胆膵脾 | 原発性肝癌 | 12 | |
転移性肝癌 | 10 | ||
肝門部胆管癌 | 0 | ||
遠位胆管癌 | 1 | ||
胆嚢炎、胆石症、胆嚢腺筋症、胆嚢ポリープ | 165 | ||
胆嚢癌 | 5 | ||
膵癌 | 15 | ||
上記以外の膵腫瘍 | 7 | ||
急性膵炎・慢性膵炎 | 0 | ||
肝硬変、脾機能亢進症、その他の脾腫 | 6 | ||
特発性血小板減少性紫斑病 | 1 | ||
ヘルニア | 鼠径ヘルニア | 72 | 大腿ヘルニア含む |
腹壁ヘルニア | 14 | ||
外傷 | 腹部外傷 | 2 | |
イレウス | 絞扼性イレウス | 7 | |
上記以外の腸閉塞症 | 16 | ||
その他 | 廃用症候群、等 |
分野 | 術式 | 全症例数 | 腹腔鏡手術数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
上部消化管 | 食道亜全摘術 | 6 | 6 | 胸腔鏡手術 |
幽門側胃切除術 | 31 | 19 | ||
胃全摘術 | 13 | 9 | ||
噴門側胃切除術 | 3 | 2 | ||
胃部分切除術 | 4 | 3 | ||
胃空腸吻合 | 5 | 0 | ||
胃・十二指腸潰瘍穿孔手術 | 5 | 2 | ||
胃瘻造設術 | 5 | 0 | ||
下部消化管 | 結腸右半切除術 | 46 | 25 | |
結腸左半切除術、S状結腸切除術 | 56 | 29 | Hartmann手術を含む | |
結腸部分切除、等 | 8 | 1 | ||
直腸前方切除術 | 47 | 40 | ロボット手術を含む | |
腹会陰式直腸切断術 | 3 | 1 | 同上 | |
人工肛門造設術 | 20 | 2 | ||
虫垂切除術 | 59 | 54 | ||
肝胆膵脾 | 肝切除術(亜区域以上) | 12 | 0 | |
肝切除術(部分切除) | 22 | 15 | ||
肝門部胆管癌手術 | 0 | 0 | ||
胆道バイパス手術 | 2 | 0 | ||
胆嚢摘出術 | 165 | 134 | ||
総胆管切石術 | 2 | 0 | ||
胆嚢癌手術 | 3 | 0 | ||
膵頭十二指腸切除術 | 9 | 0 | うち門脈合併切除:1 | |
膵尾側切除術 | 8 | 2 | ||
膵中央切除術 | 3 | 0 | ||
膵腫瘍核出術 | 1 | 1 | ||
慢性膵炎手術 | 0 | 0 | ||
脾摘出術 | 3 | 3 | ||
Hassab手術 | 3 | 3 | ||
ヘルニア | 鼠径ヘルニア根治術 | 72 | 57 | 大腿ヘルニア含む |
腹壁瘢痕ヘルニア根治術 | 14 | 14 | ||
イレウス | 腸管切除を伴うイレウス手術 | 7 | 0 | |
上記以外のイレウス手術 | 16 | 0 | ||
外傷手術 | 腸管切除、等 | 2 | 0 |
当科では、胃癌、大腸癌や胆石症など比較的ポピュラーな疾患はもとより、高難度手術を要する食道癌や肝胆膵の悪性疾患に至るまで様々な疾患に対応可能です。当院の特徴は外科手術以外の治療法においてもそれぞれの専門医がいて、相互に協力できる体制にあることです。高齢の患者さんでは循環器疾患、呼吸器疾患、神経・筋疾患、骨疾患、精神疾患など多彩な併存症のあることが多く、手術のリスクが高まりますが、各領域の専門医の協力を得て安全に手術を乗り切ることができるよう努力しています。また、リハビリテーション機能も充実しておりますので、術後のリハビリはもちろん、がんリハビリ、呼吸器リハビリなど様々な対応が可能です。
前述のように、当科は消化器の悪性疾患に対する高度な外科的治療を看板の中心に据えておりますが、虫垂炎や胆石胆嚢炎等の頻度の高い急性疾患や、緊急手術を要するかもしれない急性腹症疾患などにも随時対応しておりますので、「経過観察では心配だ」という患者さんがいらっしゃいましたら遠慮なくご連絡ご相談ください。よろしくお願い申し上げます。
卒業年 | 平成2年 |
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専門分野 | 消化器外科 肝胆膵外科(特に膵臓外科) |
専門医資格等 | 東北大学臨床教授、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医、日本消化器病学会専門医、日本がん治療認定医、日本膵臓学会認定指導医 |
名前 | 卒業年 | 職名 | 専門分野 | 専門医資格等 |
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手島 伸 | 平成元年 | 総合品質管理推進部長 外科医長 |
消化器外科 (主に食道、 胃、腹腔鏡) |
日本外科学会専門医・指導医 日本消化器病学会専門医 日本消化器外科学会専門医・指導医 日本食道外科専門医 日本がん治療認定医 |
兒玉 英謙 | 平成6年 | 外科医長 | 消化器外科 肝胆膵外科 |
日本外科学会専門医・認定医 統括DMAT隊員 マンモグラフィ読影医 |
林 洋毅 | 平成9年 | 外科医長 | 肝胆膵外科 消化器外科 |
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本膵臓学会認定指導医、日本胆道学会認定指導医、日本がん治療認定医 |
小山 淳 | 平成9年 | 外科医長 | 消化器外科 内視鏡外科 |
日本外科学会専門医・認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸)、検診マンモグラフィー読影医 |
遠藤 文庫 | 平成14年 | 外科医師 | 消化器外科 内視鏡外科 |
日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本乳癌学会認定医、検診マンモグラフィ読影医、乳がん検診超音波検査実施・判定医師 |
湯目 玄 | 平成15年 | 外科医師 | 消化器外科 内視鏡外科 |
日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医、日本がん治療認定医、消化器がん外科治療認定医 |
染谷 崇徳 | 平成19年 | 外科医師 | 消化器外科 内視鏡外科 |
日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医 消化器がん外科治療認定医 TNT研修会修了 |
大島 有希子 | 平成19年 | 外科医師 | 消化器外科 | 日本外科学会専門医 日本がん治療認定医 |
片桐 宗利 | 平成20年 | 外科医師 | 消化器外科、一般外科 | 日本外科学会専門医 |
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