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赤ちゃんにやさしい病院

赤ちゃんにやさしい病院 (Baby Friendly Hospital、BFH)

仙台医療センターの基本的理念は、「人に喜んでもらえるよう/みんなでこの病院を良くしよう」です。また、基本方針の一つには、「人を大切にする」が掲げられています。医療機関としての質の向上とその維持を目標とし、外部団体である日本医療機能評価機構から「一般病院 (Ver.5)」の認定、さらに品質マネージメントシステム「ISO 9001:2008」の認証を受けています。

その後、ユニセフ・WHOが認定する「赤ちゃんにやさしい病院」(詳細は日本母乳の会ホームページを参照ください)取得を目指しての活動が実を結び、2010年の夏、仙台国際センターにおいて開催された「第19回母乳育児シンポジウム」において、ピカソの母子像が添えられた「赤ちゃんにやさしい病院」認定証をいただきました(詳細は仙台医療センター母子医療センターホームページを参照下さい)。

認定へ向けて取り組んできたスタッフ一同で喜びを共に分かち合いましたが、「赤ちゃんにやさしい病院」認定を契機に、地域での「母乳育児啓発活動」を推進していく役割が与えられました。

母乳育児は「人間の絆」の原点

私たちが掲げた母乳育児「基本理念」の核心部分は以下です:「人間の絆」の原点である母乳育児が重要であると考え、WHO及びユニセフの共同声明「母乳育児を成功させるための10ヶ条」に沿い、母乳育児を支援します。そして、私たちが提唱した母乳育児の「基本方針」は10項目に及びます(詳細は仙台医療センター母子医療センターホームページを参照下さい)。

その第10条に「親子の絆・家族の絆・人間の絆」を掲げましたが、その全文は以下です:「私たちは、親子の絆そして家族の絆は「人間の絆」の原点であることを理解し、母子が静かな環境で、眼差しを交わしながらの母乳育児がその礎であることを啓発し、母乳育児を推進します」。

この「赤ちゃんにやさしい病院」認定は、私たちの病院が母乳育児啓発活動の前線に立ち、スタートをきる宣言です。赤ちゃんにやさしい病院は、そこで働く人々のやさしさを醸造し、みんなを大切にする病院づくりに寄与し、うつくしい國、そしてやさしい國つくりに貢献すると確信しています。私たちは、母乳育児を推進しますが、重要なことは次の事です:(第6条:乳育児が困難な母子への支援)「私たちは、母乳育児が困難な母子に、母乳以外の栄養であっても母親がしっかりとわが子を胸に抱いて授乳し、母子の絆を形成することが重要であることを伝え支援します」。繰り返しになりますが、私たちは、もし母乳のでないお母さんがいても、そのお母さんを支援することがとても大切なことであることを常に心にとめながら、やさしい子ども、そしてやさしいお母さんを育て、「やさしい國」つくりを目指すという意味です。

眼差しを交わしながらの母乳育児は「人間子育て」の礎

母乳育児は「人間の子育て」の不変不朽の理であり、「赤ちゃんにやさしい病院」認定は、戦後日本が辿った「大人の誤り」(人工乳神話)を是正する営みであり、当然な活動に対する評価でした。そして、すでに掲げられていた私たちの病院の理念と方針の実践でした。認定活動に入る前時点で、「大人の誤り」の問題は氷解し、病院あげての理解と協力があり、時間だけが必要な「自然」な流れでした。

改めてですが、私たちの母乳育児「基本方針」の第10条に掲げた「親子の絆・家族の絆・人間の絆」の中で、「母子が静かな環境で、眼差しを交わしながらの母乳育児がその礎である」と記載しています。現代は、テレビや雑誌を見たり、携帯をいじりながらの「ながら授乳」が60%と報告されています。眼差しは、親子、母子のコミュニケーションの始まりであり、家族の絆そして人間らしい基本的な自尊心「愛されている、生まれてきたよかった、生きていていい」、その源です。その眼差しが削り取られる時、親子の絆・家族の絆・人間の絆の形成が障害されるだけでありません。人間らしい親子の眼差しや会話のない、テレビが付けっぱなし、あるいはビデオ・ゲームに囲まれた人工的な(不自然な)、非人間的な養育環境の中で育てられて時間が過ぎた時、「笑顔や言葉が乏しい」などの問題が浮上してくることを認識すべき時代です。

母子が眼差しを交わしながらの母乳育児には、人間の子どもが人間の大人になるための秘密が隠されているのです。

「ピカソがくるよ」母子像
「ピカソがくるよ」母子像

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