仙台医療センタートップページ > 診療科・各部門のご案内 > 感染症内科
当科は1997(平成9)年4月にエイズ治療における東北ブロックエイズ拠点病院に選定されたのを受け、HIV感染症/AIDS診療を専門とする外来として内科5外来が開設され、2012(平成24年)4月より感染症内科を標榜し現在に至っております。エイズ動向調査によれば2024 年末日までの日本の感染者累計は約36000人で、2024年のHIV/AIDS新規感染者数は1000人で、2016年の1448名から減少傾向となり、最近は1000人を切る水準となってきました。一方、全国的に梅毒の報告数は年々増加しており、現在の状況が決して楽観できるものではありません。今後もHIV/AIDS患者が増えないように公衆衛生学的な対策を継続する必要があります。
当科では、医師、専任(従)看護師、HIV認定薬剤師を含む薬剤師、専任カウンセラー、ケースワーカー、情報担当事務等HIVを担当する医療スタッフと連携し、チーム医療を実践しております。また、総合診療科と連携して、若手医師がHIV/AIDS患者に積極的に関わっていけるよう取り組んでいます。
HIV感染症(HIV陽性者)、及びエイズ発症者
東北地方ではHIV/AIDSの報告数自体が少なく、域内のブロック拠点病院への通院患者数は約600名で、当院にはそのうち約200名が通院しています。県外からの通院者もおります。当院の新規HIV感染判明受診者数は例年10名程度で推移しており、うち数名がエイズを発症しています。抗HIV療法の進歩により、HIV感染症は、予後良好な慢性感染症となりました。また、エイズと診断された場合でも、適切な治療により健康を回復して、発症前と同様の生活を送れることが多い状況となっています。
HIV感染症は早期診断・早期治療により死の病でなくなり、非HIV者と同じ生命予後が期待されます。梅毒などの性感染症診断時やエイズ発症を疑う場合は、患者さんに対して積極的なHIV抗体検査の提案と実施をお願いします。一方、エイズ症例は迅速な介入が必要となることがしばしばあります。エイズを疑う場合や、ご不明な点があればご遠慮なくご相談ください。
最近のHIV領域の課題はHIV患者の高齢化です。加齢に関連した生活習慣病や悪性腫瘍といった一般的な疾患に対する予防と治療がますます重要となります。HIV以外の診療を地域の先生方にご紹介していく事例も増えてきています。治癒を除く、HIVの医学的な課題はほぼ解消されている状況で、治療中の患者さんから日常診療で感染することはほぼありません。むしろ「HIVだから」感染対策をするのではなく、日常から標準予防策を行うことが重要です。また、「HIVだから特別に」何かをするという社会全体の考え方も変えて行く必要があります。
以上から、HIV感染症は、医学的に課題がある疾患というより、誤解・差別・偏見などが課題として残った「社会的な疾患」になっていると言えますが、ハンセン病の事例を見ても明らかなように、この課題を解消するには長い時間を要します。今後、患者さんをご紹介することもあるかと存じますが、患者が安心して受診できる環境整備に、ご理解・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
名前 | 職名 | 専門分野 | 専門医・認定医資格 |
---|---|---|---|
今村 淳治 | 医長・HIV/AIDS包括診療センター室長・HIV/AIDS長期療養支援室室長 | HIV感染症・ 内科学・ 感染症 |
内科学会認定医・指導医 日本病院総合診療医学会認定医・ICD 日本エイズ学会指導医 臨床研修指導医 |
今 元季 | 感染症内科医師 総合診療科併任 |
HIV感染症 総合診療 内科一般 |
|
伊藤 俊広 | 感染症内科部長 | HIV感染症・ 血液内科学・ 止血学(血友病) |
〒983-8520 宮城県仙台市宮城野区宮城野二丁目11番12号
TEL:022-293-1111(代表)FAX:022-291-8114
Copyright © 2013 Sendai Medical Center All Rights reserved.