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1997(平成9)年4月にエイズ治療における東北ブロックエイズ拠点病院に選定されたのを受け、HIV感染症/AIDS診療を専門とする外来として内科5外来が開設されました。その後、平成24年4月より感染症内科を標榜し現在にいたっております。HIV感染症に特化した診療科であり、無症状であっても、また種々の疾患の診療上においても、HIVの感染が確認された時に当科が介入することになります。当院ではHIV感染症であることで差別されることは全くなく、全科対応の上で非感染者と同様の診療を行っています。感染症内科では、医師、専任(従)看護師、HIV認定薬剤師を含む薬剤師、専任カウンセラー、ケースワーカー、情報担当事務等HIVを担当する医療スタッフと連携し、チーム医療を実践しております。
HIV感染症(HIV陽性者)
世界においてHIVとともに生きる人々は約3800万人(2018年)と言われています。治療が進歩し、非感染者と同様の余命を得ることが可能であり、慢性疾患(高血圧や糖尿病と同じ領域の病気)として扱われれています。新規の感染者は一部の地域を除いて減少傾向にあります。具体的な取り組みの一つである90-90-90ケアカスケード(HIV感染者の90%を診断し、診断された人の90%に治療を行い、治療された人の90%を成功に導く)の2020年までの達成は厳しい状況ですが、ことができれば、いずれHIV感染症は世界の脅威ではなくすることができると考えられます。我国においては、エイズ動向調査によればR元年末日までの感染者累計は約32000人ですが、新規感染者は減少傾向を呈しております。しかし、新規報告者の30%がAIDS発症している実態は変わっていません。また、東北地方は報告数は少ないながらAIDS発症で診断される割合が全国平均より高い状態が続いています。すなわち診断が遅いのです。当院での受診患者累計は令和元年までで362人であり、ほとんどが男性同性間性交渉によるものであり、全国の動向と同様です。エイズ発症で診断された場合の予後は楽観できませんが、早期診断・早期治療が予後を改善するだけでなく感染予防にもつながります(treatment as prevention、U=U:undetectable=untransmittable)。
当科HIV医療スタッフは、厚生労働省科学研究費補助金エイズ対策研究事業、国立病院機構共同研究、公益財団法人エイズ予防財団委託事業など研究活動にも積極的に参加しております。また、院内外での会議・職種別研修会の企画開催、仙台市エイズ即日検査会や一般の方を対象とした予防啓発活動、ホームページによる情報発信なども行っております。これら東北ブロックエイズ拠点病院としての活動を通じて、国立国際医療研究センターACC(エイズ治療・研究開発センター)、全国ブロック拠点病院・中核拠点病院・エイズ拠点病院(全国約370施設)との連携のもと、HIV医療体制の構築に努めています。
地域の先生方へのお願いです。HIV感染症は慢性疾患です。早期診断・早期治療により、死の病でなくなり、非HIV者と同じ生命予後が期待されます。症状の有無にかかわらず積極的なHIV抗体検査をお願いいたします(スクリーニング検査陽性のみで、HIV感染症と診断してはいけません。陽性時は確認検査を施行してください)。長期生存が可能になり、非感染者同様の高齢化問題が浮上してきています。加齢に関連した合併症(心・血管系疾患、高血圧、慢性腎障害、認知症、糖尿病、骨粗鬆症、癌 など)の治療・コントロールが重要になります。一般の患者さん同様合併症診療にかかわっていただければ幸甚です。HIVのコントロールはおまかせください。安定させたうえで地域にお返し(逆紹介)いたします。
名前 | 卒業年 | 職名 | 専門分野 | 専門医・認定医資格 |
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伊藤 俊広 | 昭和57年 | 感染症内科医長・ HIV/AIDS包括医療センター室長・ HIV/AIDS長期療養支援室室長 |
HIV感染症・血液内科学・止血学(血友病) | 内科学会認定医 |
今村 淳治 | 平成15年 | 医師 | HIV感染症・内科学・感染症 |
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