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1997(平成9)年4月にエイズ治療における東北ブロックエイズ拠点病院に選定されたのを受け、HIV感染症/AIDS診療を専門とする外来として内科5外来が開設され、2012(平成24年)4月より感染症内科を標榜し現在に至っております。エイズ動向調査によれば2022年末日までの日本の感染者累計は約34000人で、新規感染者は減少傾向を呈しております。2023年のHIV/AIDS新規感染者数は)960人で、直近の2年は1000人を切る水準で推移しています。一方、全国的に梅毒の報告数が年々増加しており、現在の状況が決して楽観できるものではなく、今後もHIV/AIDS患者が増えないように公衆衛生学的な対策を継続する必要があります。
当科では、医師、専任(従)看護師、HIV認定薬剤師を含む薬剤師、専任カウンセラー、ケースワーカー、情報担当事務等HIVを担当する医療スタッフと連携し、チーム医療を実践しております。また、総合診療科と連携して、若手医師がHIV/AIDS患者に積極的に関わっていけるよう取り組んでいます。
HIV感染症(HIV陽性者)、及びエイズ発症者
東北地方ではHIV/AIDSの報告数自体が少なく、域内のブロック拠点病院への通院患者数は約600名で、当院にはそのうち約200名が通院しています。県外からの通院者もおります。当院の新規HIV感染判明受診者数は例年10名程度で推移しており、うち数名がエイズを発症しています。抗HIV療法の進歩により、HIV感染者であっても非感染者と同等の余命を得ることが可能となり、現在は高血圧や糖尿病などと同様に慢性疾患として扱われています。また、エイズと診断された場合でも、適切な治療により健康を回復して、発症前と同様の生活を送れることが多い状況にあります。
HIV感染症は慢性疾患で、早期診断・早期治療により死の病でなくなり、非HIV者と同じ生命予後が期待されます。梅毒などの性感染症診断時やエイズ発症を疑う場合は、患者さんに対して積極的なHIV抗体検査の提案と実施をお願いします。一方、エイズ症例は迅速な介入が必要となることがしばしばあります。エイズを疑う場合や、ご不明な点があればご遠慮なくご相談ください。
最近の課題はHIV患者の高齢化です。加齢に関連した生活習慣病や悪性腫瘍といった一般的な疾患に対する予防と治療がますます重要となります。HIV以外の診療を地域の先生方にご紹介していく事例も増えてきており、今後さらに増加することが見込まれます。HIV患者が安心して受診できる環境整備に、ご理解・ご協力よろしくお願い申し上げます。
名前 | 職名 | 専門分野 | 専門医・認定医資格 |
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今村 淳治 | 医長・HIV/AIDS包括診療センター室長・HIV/AIDS長期療養支援室室長 | HIV感染症・ 内科学・ 感染症 |
内科学会認定医・指導医 日本病院総合診療医学会認定医・ICD 日本エイズ学会指導医 臨床研修指導医 |
伊藤 俊広 | 感染症内科部長 | HIV感染症・ 血液内科学・ 止血学(血友病) |
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